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特集

作をつくる機械除草
機械除草のための製品カタログ

除草を考える場合、大事なことは、そもそも「雑草を出さない」ための圃場管理ではないだろうか。除草という作業は、あくまでも“対症療法”的な技術なのである。草を出さない、より本質的な技術こそ追求されるべきではないだろうか。
【雑草を出さない技術】

 除草を考える場合、大事なことは、そもそも「雑草を出さない」ための圃場管理ではないだろうか。除草という作業は、あくまでも“対症療法”的な技術なのである。草を出さない、より本質的な技術こそ追求されるべきではないだろうか。

 たとえば、反転耕は土壌の物理性をよくし、結果として化学性や生物性を改良する有効な耕し方だが、同時に雑草を出さない耕耘法としても知られている。

 反転耕によって、雑草の種子は、地表面近くの上部の土層といっしよに深部に埋没される。地中深くに埋もれた種子は、休眠から覚めにくく、発芽してもそのほとんどが枯死してしまう。したがって、翌年の雑草の発生は、極端に少なくなるのである。とくに反転耕の、水田における多年生雑草に対する抑草効果は高い。

 輪作を取り入れて意識的に雑草の草種を変え、支配的な草種を作らない工夫や、均平な整地に心がけることも雑草を抑制するはずだ。あるいは水田では、いったん水をはって雑草を発芽させた後に代かきを行って、雑草の根を浮かせるという智恵や、畦を十分に高くして潅排水をきちんとコントロールすることなども、雑草の抑制に大きな効果をもっている。

 こうした雑草を出さない技術は、同時に作物の生育を助け、畑や水田の生産力を高める、いわば「作をつくる」技術でもある。作柄のいい圃場は、雑草も少ないのである。


【中耕・除草の効果】

 とはいえ、雑草が発生したら、その対策を講じなければならない。

 機械による中耕・除草作業には、いろんな効果がある。うね間の土壌を撹拌して軟らかくするので、土壌の酸素を供給し、通気性や透水性が改良される。そして、作物の発根を促し、有害ガスのガス抜きを行う。土壌が膨軟になるので、地温が上がり、水分の蒸散が防止され、吸水性も改良される。

 中耕や培土作業がきっちり行われていると、干ばつのときにも効果を発揮する。土壌層の毛細管の働きが活発になり、吸水性が改良されるからである。そして、初期の段階における中耕管理は、作物の上根を傷つけることによって、逆に直根や側根の伸張が促され、根の水分吸収能力も高くなる。

 機械除草は、このように多面的な効果を期待できる。機械による除草は、文字どおり、「作をつくる除草」でもある。

 畑作除草の作業機には、作物生育の初期から中期にかけてうね間の中耕・除草を目的として行うカルチベーターや中耕ロータリー、作物播種前後に畑全面を対象にして盲除草を行うウィーダーやチェーンハローなどがある。すべてを網羅して紹介することは不可能だが、作物生育の初期から中期にかけて行われるカルチベーターや中耕ロータリーなどの代表的な機種を中心に紹介しよう。

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