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現在の近代ボトムプラウはアメリカの開拓期に形を整えたものである。上地の生産性の向上、農業力が今日のアメリカを支えているといってよい。
そのアメリカが最近に至って、その手当て不足による土地の生産性の低下に危機感を抱き、持続的農業を提唱しているのである。
なぜか? 文明の盛衰は三〇〇年周期とされている。これは、人間が土地や森林を食いつぶすのは三〇〇年と考えてよいことである。ひるがえって、現在は科学が発達しているので、そういったことは当てはまらないとみていたと思える。しかし現実はそんなに甘いものではない。現在の科学の力でも、土地から収奪したものをすべて戻し、土地を保全することは不可能なことであった。
循環農法が何よりも大切と考えながらも、アメリカの場合、土地が広いばかりに、例えば、堆きゅう肥の還元など望みようがない。必然的に地力の低下を余儀なくされている。マンモスなるが故の悩みを抱えていることになる。
アメリカが現代技術をもってどんな地力保全の手当てをするか、非常に興味あるところである。おそらくは、自然体に近づけることに、原則に忠実であるべく改めて畜産との結合を図るであろう。そして、かつてジョンディアがスチールプラウを発明したように、それに付随するプラウの開発に目を向けるに違いない。
広大なアメリカとわが国とでは、上地面積において比較にはならないが、わが国独自の耕起技術があってよい。鋤、鍬から発達して形を整えたボトムプラウに、改めて目をかけてみるべきである。
そのアメリカが最近に至って、その手当て不足による土地の生産性の低下に危機感を抱き、持続的農業を提唱しているのである。
なぜか? 文明の盛衰は三〇〇年周期とされている。これは、人間が土地や森林を食いつぶすのは三〇〇年と考えてよいことである。ひるがえって、現在は科学が発達しているので、そういったことは当てはまらないとみていたと思える。しかし現実はそんなに甘いものではない。現在の科学の力でも、土地から収奪したものをすべて戻し、土地を保全することは不可能なことであった。
循環農法が何よりも大切と考えながらも、アメリカの場合、土地が広いばかりに、例えば、堆きゅう肥の還元など望みようがない。必然的に地力の低下を余儀なくされている。マンモスなるが故の悩みを抱えていることになる。
アメリカが現代技術をもってどんな地力保全の手当てをするか、非常に興味あるところである。おそらくは、自然体に近づけることに、原則に忠実であるべく改めて畜産との結合を図るであろう。そして、かつてジョンディアがスチールプラウを発明したように、それに付随するプラウの開発に目を向けるに違いない。
広大なアメリカとわが国とでは、上地面積において比較にはならないが、わが国独自の耕起技術があってよい。鋤、鍬から発達して形を整えたボトムプラウに、改めて目をかけてみるべきである。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
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