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【自分の畑は自分で診断する】
土壌診断「実践編」ジャガイモ栽培を追究する
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第3回 1993年10月01日
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仲間による土壌断面調査のすすめ(他人の土を知って、より正しく自分の畑を知る)
最近、古い農業書に出合った。昭和一五年の発行となっている。日中戦争から太平洋戦争へと向かう時代である。「銃後の守り」の役割を担った農業は、食糧増産が大きな課題であった。
当時の農業の現場は、具体的な情報に飢えていたのだろう。試験場の技師さんの“偉さ”なんて、まるで感じられない。読んでいて、じつに迫力がある本である。現場の農業者から見れば具体性が感じられない、現在の普及所や農協の“指導″などは、問題外である。
この農業書を読んで目を見張らされたのは、農業者のなかにすぐれた現場指導者がいて、その人たちが他人の土壌管理や施肥設計などの面倒を見ていることである。
周りの農業者の面倒を見るのは、土壌改良の技術を修得するうえで、きわめて大切なことである。自分の畑以外のところを調べたり、改良の相談にのることが、自分の畑をより正しく理解することにつながり、土に習熟することができるのである。ぜひグループのなかで、お互いの田畑の断面調査を行って、「土の専門家」になってほしい。
農村の習慣からすれば、他人の田畑に入り、しかも穴を掘るなどは、許されることではなかった。しかし、これからの農業と経営にとって、もっとも大事な「商売道具」である土・土壌の性質や状態を正しく知ることは、大きな意味をもっている。人さまの畑の断面を見ることなく、しかも自分の田畑の断面さえ調査することもなく、毎年決まった作業をただ繰り返す人には、収量や品質の向上を望むことはできないのである。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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