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自分の畑は自分で診断する

土壌診断「実践編」ジャガイモ栽培を追究する

つまり、ソウカ病対策のために、土壌を強酸性に保っている。しかし、その結果、ジャガイモ本来の生育にはマイナスとなり、収量を悪くしているのではないか。そして、各産地のジャガイモ栽培土壌は、著しい石灰欠乏になっているのではないかと推測される。

ソウカ病怖さのために、石灰を入れず、過度の低直背理になっているといえるのではないだろうか?

現実に、低叫のジャガイモ産地は、石灰欠乏のために地上部も早く枯れ上がり、イモのつき方も小さいイモの割合が多く、収穫に手間取るばかりで、収量も少ない。逆に石灰が適正量与えられた多収の畑のイモのつき方は、大きいイモの割合が多く、収穫調製作業も能率的である。


二つの改良計画(石灰の適正量施用とゼオライト堆肥の施用)


池田さんの畑の分析結果(表2)を見ると、砂土なので、石灰が少ないにもかかわらず、pHは五.二五とそれほど低くない。しかし、石灰含量の指標である交換性石灰は、六六.二mg(一〇〇g当たり)と少なく明らかに不足である。これは予測したとおりの結果である。改良目標は、交換性石灰一〇〇mgあたりである。この場合、pHは六・〇近くにまでなるはずである。

この改良目標にそって、実際の圃場における施用量を算出するにはどうすればいいかなどについては、今回は割愛するが、とにかく土壌分析と診断を実行したことによって、池田さんの具体的な改良項目が見えてきた。

さらに、カリについても、交換性力リを二〇 mg(一〇〇g当たり)くらいまで引き上げた方がよい。現在の二倍の水準である。そして、土壌断面調査表からは、有効上層が二五伽しっかり確保されていることも確認された。これは、池田さんのプラウ耕の成果といえる。

池田さんのところでは、今回の土壌診断の結果から、石灰を適正量施用する試験を試みることにした。そして、ソウカ病対策として、品質のいいゼオライト堆肥の有機物と微生物群に期待することとした。さらに、石灰施用では水溶性のカルシウム葉面散布も実施してみる計画である。

池田さんは、この二つの方法によるジャガイモ栽培増収法に挑むことになった。

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