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【新・農業経営者ルポ】
比内地鶏の歴史を創ってきた家族
- (有)秋田高原フード 代表 佐藤信子
- 第50回 2008年08月01日
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メディア批判をかわす県の対応が呼んだ災難
まだ産後20日目だというのに、大塚智子(31歳)は事務机の脇に赤子を寝かせて仕事をしていた。5歳と2歳の子供は、夫・大塚智哉(33歳)の栃木の実家に預けた。今、㈲秋田高原フードは創業以来の危機に瀕している。それでも、社長の佐藤信子(57歳)と智子、智哉の娘夫婦、そして14人の従業員たちは、この困難のなかで改めて家族の絆と会社の使命を確認している。
災難は、比内地鶏を偽装した犯罪とその批判をかわすために秋田県がとった対応の結果によってもたらされた。同社は昨年度まで年間8万羽あった生産が半減しかねない危機に陥っている。その食味の高さで評価してくれる外食業者はともかく、スーパーやデパートなど多くの小売業は「認証」の有無を問題とし、取引を控えるようになり、それが取り扱いの減少につながっている。それでも信子ら家族は、智子の祖父である故・佐藤広一が始めた家業の誇りを守ろうとしている。
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佐藤信子 サトウノブコ
(有)秋田高原フード
代表
秋田県大館市生まれ。秋田県北秋田市。地元の高校を卒業後、秋田市の歯科衛生士専門学校に進学し、歯科医療を学ぶ。卒業後5年ほど歯科衛生士の仕事に就いていたが、(有)黎明舎種鶏場の佐藤黎明との結婚を機に、養鶏の世界に入る。以来、現在まで30年あまりにわたって養鶏業の現場をつぶさに見つめてきた。1999年、黎明舎種鶏場の比内地鶏部門を前身として、(有)秋田高原フード設立。2002年に代表の黎明が他界後、自らが代表取締役に就任する。14名の従業員と共に比内地鶏の生産販売にあたっている。
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