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特集

不作のあとに問い直す「田づくり・土づくり」

 酸素があればこれらの有害ガスは、酸化されて無害化できるが、酸素が不足すると根ぐされの原因となるのである。

 長年のトラクタ走行によって踏み固められて、文字どおり酸素不足をきたし、根が呼吸障害を起こしている水田が多いのではないか。トラクタの踏み固めによって耕盤層が形成され、水田には不透水層ができて排水不良を起こしている水田が多くなっているのではないだろうか。

 たとえば、下層に砂利層があって水はけはたいへんよく、むしろ水もちが心配になるくらいの水田だったのが、いつの間にか、トラクタの踏み固めによって不透水層ができてしまい、現在ではコンバイン作業にてこずるほどの田んぼになってしまった、という話をよく聞くことがある。

 また、十数年前に施した暗渠が、長年のトラクタ走行による踏圧でつぶれてしまい、いまではほとんど機能しなくなってしまっている、という人も多いのではないだろうか。

 このような症状を呈する水田では、水はとどこおり、透水性がきわめて悪くなっている。したがって、下層への透水といっしょに供給されるはずのたん水中の酸素が不足する。根は呼吸不足をきたすのである。

 さらに水の縦浸透の劣化は、水が下層に十分に浸透していかないために、地温の上昇を妨げる。低温にいっそう弱くなるのである。こうした水田が相対的に多くなってきているのではないか。

 いまこそ、単なる省力ではなく、「田をつくる」こと「土をつくる」ことに向けた機械化に目を向けるべきである。それこそが、ほんとうの意味で稲作経営の低コスト化につながる技術だといえる。「田づくり」「土づくり」は、利益の源泉である。なぜなら、作物や自然の持つ可能性を最大限に引き出すことほど、結果的に安上がりなことはないからである。

 以下に、そうした「田づくり」「土づくり」をもたらす本質的な技術を担う商品を紹介する。


「田づくり・土づくリ」を担う商品群


1 圃場を踏み固めないために
ゴムクローラトラクタMKシリーズ

(株)諸岡

 本誌にはすでに、何度もゴムクローラトラクタが登場してきたが、「田づくり」を考える第一歩も、トラクタ走行による圃場の踏み固めという問題を問い直すことから始まるだろう。したがって、ここでもゴムクローラトラクタに注目せざるをえないのである。

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