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特集

不作のあとに問い直す「田づくり・土づくり」

 耕盤破砕の効果は、単に透水性をよくし、湿害を防ぐだけではない。逆に、干ばつの時には土壌の保水性をよくするという効果ももっている。それは、不透水層が破壊されることによって、乾燥時には土壌粒子の毛管現象によって、下層の土壌水分が土壌表面に向かって上昇し、根が枯れることを防ぐからである。

 耕盤破砕(心土破砕)を行うのが、サブソイラである。サブソイラには、固定式のものと、けん引抵抗を軽減するために鋼鉄爪に振動を与えるバイブロ式などがある。またスガノ農機(株)では、固定式ではあるが、いちいち爪を抜かずに旋回できる追従式サブソイラを新しく発売している。これは、トラクタの向きによって、サブソイラが左右に振れるように固定できるように設計され、サブソイラの上げ下げを繰り返すことなく、連続作業ができる。

 なお、サブソイラには一本爪から三本爪など各種あり、スガノ農機(株)をはじめ、松山(株)、川辺農研産業(株)などから発売されている。


3 深起こしと、完全反転耕で強い稲を作る
プラウ

スガノ農機(株)

 昨年のような異常な天候にも左右されない稲を作るには、根の活力が大前提である。そのために欠かせないのがプラウである。

 いうまでもなく、プラウは、耕起深さが相対的に浅く、撹拝耕のロータリと違って、深起こしを可能とする。しかも、完全反転耕を行うので、稲株や稲ワラを完全にすき込むことができる。

 この完全反転耕の威力は、酸素にふれないままになっていた下層の上に酸素を十分に与えて、無効態の窒素を有効態に変え、微量要素を土全体にいきわたせる効果をもつ。土の若返りを図り、さらに有効土層を広げる効果を持つのである。

 しかも、土壌表面にある雑草の種子を深く埋没させて雑草の発生を防ぎ、逆に地中深くに分布している多年生雑草の地下茎を地表面に露出させることによって枯死させ、その発生を抑えることもできるのである。

 まさに、深起こし・完全反転耕は、多面的な効果を持っているのである。 なお、スガノ農機(株)では水田利用を想定した所要馬力の小さいトラクタ用(一八馬力)のものから、六〇馬力用のタイプまで大小さまざまなプラウを発売している。そして、土への負担を軽減するという目的のために、特注品ではあるがゴムクローラトラクタ装着用で丘引き作業で行う水田専用の多連プラウも発売している。

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