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特集

不作のあとに問い直す「田づくり・土づくり」

5 簡単に畦にビニールを張る
ポリシート張り機「スプレッダー」

(株)美善
 なお、頑丈な畦をきちんと一度作れば、毎年畦づくりをしなくても、その畦にビニールシートを張って、畦の水漏れを防ぐという作業で十分に対応できる。

 堅牢な既存の畦横にシートを張る簡易な作業機が美善㈱から発売されている。「スプレッダー」がそれである。これは、畦の高さに合わせて適当な幅にビニールを支持サオに装着し、ビニールの先端を円盤外周の突起にかけて、あとはハンドルを押しながら畦の壁面に沿って押して行けば、自動的にビニールが土に埋め込まれていくというもの。

 ビニールの埋め込み深さは、田面から一〇~一五cmの深さがあり、横への水漏れは心配がない。標準タイプはビニール幅六〇cmのNASl60のほか、深水栽培用のビニール幅七五・九cmのNAS- 75、NAS-90があり、エンジン付きや各メーカーの溝切機に対応するアタ。チメントとして発売されているASM- 60、ASK-60などもある。

 なお、このスプレッダーはせっかく埋設させたビニールの底面がめくれ上がってこないために、代かき後の状態で作業を行う。


6 過剰代かきによる練り固めを防ぎ、きれいに仕上げる
木製代かき整地盤「美田号」

エム・エス・ケー東急機械(株)

 水田の透水性を悪くしている一因に、代かきのし過ぎによる、土の練り固めの問題がある。

 代かきの目的は、土壌を砕土し、田面を均一にすることである。これによって、苗の植え付け精度を高め、水もちをよくし、肥料を水田全体にまんべんなく混和させ、雑草の発生を抑制する効果を持つ。

 ところが、トラクタのわだちを消すために、代かきをし過ぎて、過剰な代かきが行われ、逆に泥を練り固める結果になっている人が案外多い。過度の代かきは、土壌の通気性を落とし、地温の上昇を妨げる。

 昔は、電信柱やハシゴを耕うん機に引かせて代かきをやっていた。これは、上層面の土だけを砕土して均平にし、下層土の団粒構造は残すという理にかなった代かきだったといえる。このかつての理想的な代かきを再現するのが木製代かき整地板「美田号」である。

 トラクタまたは耕うん機にチェーンで引かせて使う。材質が木製の合板であるため比重が水とほぼ同じでドライブハローが走行した直後の表層を移動していく。

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