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特集

不作のあとに問い直す「田づくり・土づくり」

 構造は、断面が幅の狭い板(正面)と広い板(底面)とが組み合わさったL字型となっている。そして、両サイドにも本体とバネで止められた整地板が斜め前方に向かう形でついており、畦に当たると逃げる仕掛けになっている。

 整地板の正面で田面の盛り上がった泥を低い部分に押しやり、同時に底面でならして均平にしていく。そして、両サイドの整地板がドライブハロー(もしくはロータリ)の横から押し出されてくる泥を、具合よく整地板の中心方向にかき寄せていく仕組みだ。

 この整地板を使うと、ドライブハローで代かきを行う場合、プラウで深起こしされた水田でも、一回目はハロー単独で代かきを行い、二回目の代かきで整地板を下ろして使い、この二回のみで十分に均平な田面が確保でき、田植機の走行にもほとんど問題がない代かきができる。機体を二つに折りたたんで移動し、ハローのフレームに取り付けたキャリア(オプション)に載せて移動すると便利だ。


7 土と作物のための水田車輪
水田車輪

(株)石田鉄工所

代かき時のトラクタ走行によるわだちも、稲にとって土壌障害をもたらすものとして軽視できない。わだちを消すためにドライブハローやロータリの走行回数を多くして、結果的に過度の代かきを行い、泥を練り固めているのである。

 北海道の水田では、低温に見舞われやすい気象条件をかかえていることもあって、トラクタのタイヤを水田車輪にはき替えて代かきを行うのが当たり前になっている。

 都府県では、タイヤそのままで水田に入って代かきを行っている人が圧倒的で、タイヤの外側に補助車輪をはめて行う人さえ少ない状況である。水田そのものが、長年のトラクタ走行によって、トラクタがぬかるまずに走行できるほどに固くなってしまっている結果でもある。

 何度も記してきたように、踏み固めによって適正な縦浸透が確保されず、しかも稲の生長点をたん水中で保護する深水管理さえできなくなっていることが、昨年の大不作の最大の教訓であった。

 だとすれば、せめて車輪がぬかるむくらいの深い「田づくり」を行うのが、農業経営者ではなかろうか。その際には、ぜひ補助車輪、もっと進んでタイヤそのものを水田車輪にはき替えて代かき作業を行うくらいのことに挑戦したいものである。

 水田車輪は、北海道の(株)石田鉄工所が発売している、同社は、水田車輪の専門メーカーである。

 同社の水田車輪は、どのタイプも車輪の外側に向かってテーパー状に径が小さくなっており、方向転換が容易にできるようになっている。そのため、上の練り固めを最小限にとどめることができる。さらに、上質に合わせて羽根にヒネリをつけるなど、練り固めを最小限に抑える構造上の工夫がなされている。


 九三年の大不作を天候のせいだけにするところに前進はない。トラクタ走行による耕盤層を早急にくずして、深く起こし、頑丈な畦を作って自在な水管理かできる「田づくり」に、ぜひ、今年こそ挑戦したいものである。それこそが、昨年の大不作を経験した我れわれの進むべき道だと思う。同じ過ちは二度と繰り返してはならないのだから。

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