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特集

経営にパソコンを生かす
各種ソフト、ネットワークをさらいながらその活用を考える

 こうした作業を必要としない農家にとってみれば、毎日の取引は単に目の前を流れていく日々忘れていく事実の一つひとつにしか過ぎません。今年は儲かったか、あまり儲からなかったかの印象ぐらいは残るでしょうが、数字としていくら儲かったかは正確に把握はできていないでしょう。

 実は、記帳を行っている方でも申告だけが目的だと、三月一五日が終わると、さあ終わったとばかり、記帳していた伝票や元帳は押し入れにしまっておしまいという方が少なくありません。ところが、記帳された結果をよくよく見ると、経営の現在がよく分かるようになります。また、そこの数字をグラフ化したり、それぞれの数字の関係を出してみると、簿記の場合はあくまで金銭的な意味での経営の状態、経営の改善点などが分かるようになります。

 毎日の目の前を流れていく事実、データをとらえて処理することで、情報が生まれたわけです。この情報は、自分白身の毎日の取引から生まれた情報ですから、もっとも自分の知りたいことが含まれている情報ということになります。

 先に、「周りをきょろきょろして情報を探しても」と書きましたが、テレビやラジオなど情報はむしろ多すぎる現在にあって、自分自身の経営の中から生まれたこの情報は、経営を考えるときの出発点ともなる情報とも言えるでしょう。

 毎日の事実、データから情報を誕生させるためには、もちろん手で一つひとつの数字を表に作り直したり、グラフに作り直したりすることでも手に入れられるようになりますが、実際のところは大変な手間がかかります。こうしたとき、パソコンを使用することで、情報化が容易に図れるようになるのです。

 パソコンを使用する意味の第二に情報化をあげましたが、こうした内容のことを指しています。

 たまたま、簿記を例に取り上げましたが、作業日誌などのソフトを使用することで、農作業に関する自分の情報が得られますし、畜産の個体管理などでも同じように、毎日の使用管理の中から本当に有益な情報を作り上げることが可能になります。


第2章 家のデータを処理する


 第1章で、パソコンを活用する意味として、事務作業の合理化と情報化の二つの効果について説明をしましたが、ただ機械としてのパソコンを持っていさえすれば、二つの効果が得られるかというと、そうではありません。正確にはパソコンという機械、ハードだけではただの箱で、仕事といっても大したことはできません。パソコンに目的の仕事をさせるための手順を書いたプログラム、ソフトウエアがあって初めて仕事が可能になります。簿記のソフトを動かせばパソコンは簿記の機械として仕事をしますし、作業日誌のソフトを動かせば、作業日誌の機械として動きますし、畜産の個体管理のソフトを動かせば個体管理の機械として動くというわけです。

 パソコンが他のパソコンにつなかっていなくて、単独に目的のソフトを動かして利用するという使い方は、スタンドアローン(単独使用)と呼ばれますが、現在のパソコンの利用の仕方は、ほとんどがこの方法になっています。この方法で使用する時に、十分に活用できるかどうかは、使用するソフトいかんによります。

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