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特集

コントラクター=農作業サービスビジネスの現状と可能性

クローラが請け負いの可能性を広げる

 これまで借地あるいは経営請負という形を中心に考えてきたが、今後は作業請負部門を増やそうと考えている。とくに、平成四年四月に七〇馬力のゴムクローラトラクタを導入して以来、作業能率が大幅にアップし、また、それによって今まで以上の「作業の質」を提供できるという自信もついたからだ。かつて、社長と専務の持ち寄ったトラクタ二台を使って仕事していたが、現在は畦塗りを含めてすべてのトラクタ作業を、このクローラー台でこなしてしまうという。その能率は、小さな一〇a水田でも、一枚を一〇分くらいで耕うんできてしまうので、今後、請負料金の値下げも考えているという。

 また、同地区は雪が降る。しかも排水の悪い湿田地帯であるが、ゴムクローラにサブソイラを組み合わせた雪上心破で、まず自作地から排水の改善をし始めているところだ。これまでも、稲作の質を高めるためにプラウの導入も考えてきたが、今までのような湿田状態だと、それもかなわなかった。しかし、クローラが入り、心土破砕による排水改善をすることで、それも可能になる。しかもクローラで丘引きできるプラウもできたと聞いたので期待しているという。作業委託する農家に対しても、それを勧めていこうと考えている。それには、ファーミングスタッフに頼めば、「倒伏しないで米も取れる」ということを作柄で見せていかなければ…。と彼らは考えている。

 彼らが、今、中心的な営業地域としているのは西山町の南部。字名でいえば北野(水田面積五〇ha)、内方(五ha)、五日町(四〇ha)、大坪(二〇ha)の四地域だが、さらに広域に柏崎市や隣町の刈羽町を含めて、新聞に折り込みチラシを入れた。その目的は、より広域に請負作業の顧客を開拓すると同時に、柏崎市にいるゴムクローラを持つ人と協力してクローラでの農法を知らしめるためでもあった。

 現状は前述のとおりの作業請負面積であるが、この五年くらいの間に需要が急激に増すのではないか、と彼らは読んでいる。その根拠は、地域の農作業をやってる人びとの年齢が、五五~六〇歳であることから、その人びとがリタイヤしていくだろうと見ているのだ。まだ、作業能力的には余裕があり、面積を拡大できる。難点は、古い時代の基盤整備で、排水が悪いこと。そのためにも心土破砕をすすめたい。また、かん漑設備がかけ流しのために水やりが機械の能率に追い付かず、代かきに手間取ることなどだという。

 苦労は今後とも尽きないのであろう。でも、従業員に関する限り、仕事は朝八時から夕方五時まで。休日は、農繁期を除けば月に六日と世間の会社並みになった。彼らの顔は明るかった。

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