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特集

コントラクター=農作業サービスビジネスの現状と可能性

農業をハード面から総合的に支援する
北海道剣淵町 (株)加藤リース


北海道で一二社が営業

 昭和四〇年ころから盛んになった農機具利用組合は、機械の耐用年数切れに伴い、現在ではほとんどが解散状態。農業機械はむしろ個人での所有率が高まる方向にあり、生産コストの低減にブレーキをかけている。

 機械化による農耕の歴史が長いヨーロッパやアメリカーカナダにも生産者による機械共同利用組織はあるが、コントラクターの利用率が圧倒的に高く、もはや、何らかの形でのコントラクターの利用が当たり前という感がある。むろん、日本でも農機具への投資を極力抑えた合理化で、経営の安定化を図りたいと願う生産者も多いが、後継者不足や農業従事者の高齢化、一戸当たりの規模の拡大などが機械の所有率を高めている要因ともいえる。

 北海道でのコントラクターは約コー社。今回紹介する、株式会社加藤リース (資本金一八七〇万円、従業員一三名)は今年で創業一〇周年を迎える。社長の加藤健一さん(42歳)はもともと水田農家。「機械整備が好きで、いつのまにか、さまざまな農機具を収集するようになっていて、近所の農家が機具を借りにきたのがこの商売をはじめるきっかけかな」

 と笑うが、加藤さん自身が生産者だけに、農機具の稼働率の低さ、収入に占める農機具費の負担増が、加藤さんをこの事業のスタートへと思い切らせたのだろう。

保有機械三六〇台、トラクター四台

 加藤リースが事業展開の中心とする北海道上川郡剣淵町は旭川盆地の北端に位置し、かつては三六〇〇haを有する大水田地帯であったが、現在の稲作付面積は転作の緩和で復田されているものの、一七〇〇haあまりと最盛期の半分にも満たない。代わって、ビート、小麦、豆類が主な農産物になっている。

 加藤さんの農業経営者としての経営は、水田九・五ha(すべて転作で小麦を作付け)、畑一・五ha、借地六〇haにソバを作付けする。

「農業規模の大型化、兼業農家率の増加により、この地区においても農作業の外部依頼を希望する農家は、年々増える傾向にあります」

 と加藤社長が説明を裏づけるように、加藤リースの売上は平成四年、一億九八〇〇万円、五年には二億九八〇〇万円と驚異的な伸びを示している。

 その営業内容は、コントラクターの耕賃などが四〇%、農機などのリースが三五%、穀物・雑穀の乾燥調製作業の請け負い、農業機械の修理・再生・販売、除雪作業の請け負いといったところ。業務区域は地元剣淵町はもとより、和寒、風連、士別の市町を中心とした上川管内にとどまらず、空知支庁の幌加内町などの広範囲に及んでいる。

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