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経営に女性あり

実務派秘書に徹する

 幸子 深く考えてるわけじやないですけど、私は社長の奥さんという意識がないんです。みんなと同等のつもりでやってますから。

 気持ちよく働いてもらうために、みんなに平等に接することも心かけてますね。花のクズがいっぱい出たり、とれた野菜が余ったりすれば、全員に平等に分けます。

 いま、幸子さんは朝九時半に出勤し、六時までには隣接する自宅仁戻る。それは一〇年前に比べれば、はるかに楽な仕事だ。それでも夫婦にとって“定休日”はない。

 幸子 どちらか一人がいないと、仕事が回っていかない。そこが一番問題なの。いまでも、荷づくりの選別は人任せにできない。切り花のA、B、Cのランク分けや、どこの市場に、どの程度のものを出すか(という判断は)、主人以外はやってないんです。それが、市場に対しての一番の信用なんだけど、人にまかせてしまわない限り、休みはとれない。週一回の決まった休日、それが当面の課題でしょうね。そのためには人を育てていかなくちや。管理職となるべく人を育ててゆく。

 いま、一一棟二二〇〇坪のハウスがあります。主人はもっと増やしたいと思っている。結果的には規模拡大をしないと取り残されるという主人の主張は当だってますし、仕事も楽になっているけれど、私は、お金もそこそこに入ってくるし、もうこれ以上いらないっていう感じがありますね。


【取材者のメモ】

 几帳面で、控え目な実務派。幸子さんをひと言で評するなら、そんな人だ。研究面でも営業面でも熱心でやり手の康雄さんにとって、これ以上有能な“秘書役” はいない。

 いま何をしなければならないかが分かり、それを着実に実行できる能力の高い人でもある。また、女性では少ない、周囲と自分をそれぞれに客観視できる冷静さも光っている。

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