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土と農業経営のための微生物大百科

微生物はどうやって有機物を分解しているか

高密度に培養された微生物資材を利用する技術が、いま注目を集めている。微生物資材の農業利用は、従来の我われの常識を書き換える可能性すら持っている。その適切な利用技術のあり方が、考えられてしかるべきだろう。この連載は、微生物資材の専門メーカーである(株)アラヤの研究開発・営業担当の社員グループが執筆するものである。 
おなかをすかす微生物たち


 皆さん、こんにちは。前号の第1回の内容は、いかがだったでしょうか。私たちにとっては、一回目という緊張もありましたので、少し分かりにくいところもあったのではないかと、心配しております。もっともっと分かりやすくするよう努力していきますので、よろしくお付き合いください。

 さて、今回は「有機物と微生物のかかわり」についてご紹介します。「地力」をつけるために、よく稲ワラなどの有機物を上の中に入れますが、これらの有機物は、いったい土の中でどうなっているのでしょうか?

 有機物が分解されて地力となるには、微生物の働きを欠かすことができません。しかし微生物は、人や作物のために、せっせと地力を作り出しているのではありません。ただ単に、かれらはおなかがすいているために、有機物を食べているだけなのです。

 土の中の微生物は、決して裕福な暮らしをしているわけではなく、いつもおなかをすかしています。とくに、有機物に飢えていて、窒素やリン酸などよりも、炭水化物が食べたいのです。ですから、土の中に有機物を投人してやると、かれらはもう狂喜乱舞、この世のものとは思えないほどの喜びを味わうのです。


微生物は力を合わせて活動する


 だがしかし、ところがどっこい。そうは問屋が卸しません。有機物は、そう簡単にはがれらの口には入らないのです。

 実は、かれら微生物には口がないのです。そのため、硬い有機物をかみ切ったり、砕いたりすることができません。そこで、かれらは協力しあって、有機物の解体にとりかかります。そのときに重要な働きをするのが、酵素なのです。

 酵素とは、有機物を壊していくとき使う便利な道具のようなものです。かれら微生物たちは、その種類によっていろんな酵素をけっこうたくさん持っています。私たちが場所と用途によって道具を使い分けるように、かれらはこのいろんな酵素を使い分けながら、微生物同士が協力しあって有機物を分解していくのです。

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