ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

今年の市場相場を読む

夏秋野菜 ネギ・キャベツ・ピーマン・ニンジン

四月、五月は夏秋野菜の育苗から定植が始まる時期である。今年は、どんな品目をどれだけの面積、作付けようかと迷う声も聞かれる。何しろ、平成四年は年間を通じて野菜類は大抵迷した。が、昨年は夏秋期から野菜は軒並み高くなった。今年の作付けの目安になる、昨年の市場相場の推移を、どう “読んだら”いいのか――。そんな農業経営者の参考に供するために、「市場相場を読む」をお届けする。なお、以下は東京市場において、特徴的な相場推移を見せた品目について解説したものである。
ネギ 既存産地の生産意欲高く新規の生産導入は危険


【概況】

 平成四年の秋冬期から始まっていた、入荷増の単価安の推移が平成五年の三月ごろまで続いていたが、それも五月には数量的には平年並みの入荷量に落ち着き、単価も平年並みに戻した。

 夏場のネギはもともと需要が少ないために、入荷量の推移は平成五年も平年並みであったが、通常夏場に下がる単価が昨年の場合は六月以降も高く、九月にはいったん下がるが、一〇月以降、入荷量増大傾向にもかかわらず単価は上昇。その後も平成六年の年明けから二月にかけて暴騰の商状となっている。

【背景】

 年の前半は千葉、埼玉、茨城などの近県物が中心であり、夏場でも最後の茨城が八月上旬まで、夏ネギは七月ごろから東北、北海道産に切り替わるのが通常のパターンである。夏場は一般需要というよりは業務用需要が中心であり、入荷が少なくなると、相場はハネるのが通例だが。昨年の場合は入荷量的にはほぼ例年並み。しかし、相場は六、七、八月と数年来の高値となった。

 これは六月の早い梅雨入りと、続く長雨、低温、日照不足によって東北、北海道産の遅れ、作柄不良となり、関東近県のものも終了まぎわで品質劣化が目立つなど、「業務用ネギ」が不足したことによる。入荷量が例年に比べてそれほど減っていないのは、「高値時には中央に荷物が集中する」ためで、不足ぎみの業務用ネギを求めて、地方から中央市場に注文が殺到したことを意味している。

【今年の対応】

 昨年の夏場の高騰は、天候不順のために東北、北海道産地が遅れたことが原因である。したがって、今年の夏場の相場は、六月以降の天候の推移によるが、昨年と同様の条件となることはまずないとすると、夏季をめざした新たな生産を導入するのは危険である。今年は年明けから三月中旬まで高値(キロ三〇〇〇円近い相場も)が続いていたことから、既存のネギ産地はどこも生産意欲が強いはずだ。ネギ(長ネギ)は土地利用型の作目だけに、導入は慎重を期したい。昨年来の高値に危機感を持った加工業者などが、韓国、中国などからの開発輸入を準備する動きもあり、今年はネギに関しては推移を見守るべき年だろう。

関連記事

powered by weblio