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特集

進む野菜の播種・移植作業の機械化
ここまできた野菜の播種機・移植機

 種子の封入は専門の業者に委託するため、種子代がやや割高となるが、封入された種子の粒数、間隔が正確で、テープシーダによる播種も容易である。さらに、この方法で播種した場合には間引き労力が大幅に節減でき、慣行の人力播種に比べ、三〇~七〇%の省力化が図れる。


【(3)精密播種機(吸引式播種機・加圧式播種機)】

 種子を直播した場合、間引き労力が問題となる。その労力を節減するためには、播種粒数を必要最小限とし、一粒あるいは複粒の種子を正確に播種することが有利である。この考えにもとづいて開発されたのが吸引式播種機である。

 真空ポンプあるいはブロワによる負圧を利用し、回転円板の外周部に設けられた小孔あるいは放射状に配置されたノズルに、種子を吸着させて取り出す。吸引圧力(負圧)で種子を吸着するとともに、真空ポンプの吐き出し側の圧力(正圧)を利用してノズルの清掃を行い、吸着ミスを防ぐ方式もある。

 吸引式播種機は大豆、小豆などの豆類、トウモロコシなどの大粒種子をはじめ、ダイコン、カブ、ハクサイ、キャベツ、レタス、ホウレンソウなどの小粒または不整形種子の播種に利用されている。

 上記とは逆に、加圧した空気(ジェットエア)を回転する播種セルに吹きつけて余分な種子をセル外に吹き飛ばし、残された一粒を播種する加圧噴射式播種機がある。この方式の播種機は独特な形状をしたセルホイールと播種床との距離が小さく、また、作業速度と種子の繰り出し速度を同調させているため、毎時三~八kmの高速で播種することができる。トラクタ装着式の二条、四条用があり、主として大豆、トウモロコシなど大粒種子の播種に利用されている。

 以上の方式は、一粒または複粒を正確に計量して取り出すため、通常、精密播種機と言われている。このほかの精密播種機には、鉄粉でコーティングした種子を用い、磁極に吸着させて一粒を取り出すマグネット播種機(磁力式播種機)があり、タマネギ、葉ネギ、レタスなどに利用されている。


【(4)播種・マルチ同時作業機(シーダマルチャ)】


 マルチングと同時に播種する同時工程機は、「播種マルチ」、「シーダマルチャ」などの名称で近年各地に急速に普及している。基本的には二通りの方式があるが、多くは穴あきフィルム(有孔フィルム)を使用し、フィルムの穴位置を機械式または電気的なセンサで検出し、穴位置に同調して種子を落下させた後、マルチング、覆土、鎮圧する方式である。歩行トラクタ用または乗用トラクタ用として、一条から八条までのものがそろっており、使用するフィルム幅は最大一三五cmまでとしたものが多い。

 この種の播種機は、耕うん用ロータリと組み合わせて使用することも多く、耕うん、うね立て、播種、被覆(マルチング)、覆土、鎮圧が一工程で行えるため、能率がきわめて高い。

 播種装置(繰り出し機構)には、(1)ソレノイド(電磁弁)利用による目皿移動式(または電動目皿式、傾斜目皿往復式、セル穴プレート往復式ともいう)、(2)傾斜ベルトまたはリンクベルト汲み上げ式、(3)回転目皿式、(4)ロール式、(5)吸引式(真空式)などがある。

 これらの播種機は、それぞれに用意されている目皿、ベルトなどの種類を変えることによって、ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ、レタス、ホウレンソウ、オクラ、ダイス、スイートコーンなど、多種類の種子に適用できる。また、種子形状から見ると小粒、大粒種子、芽出し種子、コーティング種子などに利用でき、汎用性が高い。

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