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【土門「辛」聞】
敵陣に舞い降りる民主党大臣に正しい情報を差し入れよう
- 土門剛
- 第62回 2009年09月01日
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民主党が政権について農業政策がどう展開するか。大胆に占ってみた。本稿執筆はお盆すぎの8月21日。ちょうど、この日の読売新聞が「民主300議席超す勢い」と報じていた。そこまで伸びるかどうかは別として、民主党の勝利はほぼ間違いとみての執筆だった。
「ばらまき政策がそれなりに支持されたという側面もあるが、自民党長期政権に飽き飽きした有権者が、懲らしめてやれという意味を込めたものではないかな。とにかく長期政権の膿が、制度設計の失敗という形で随所に現れた。農業だけでなく、雇用も、医療も、福祉も、年金も、生活に密着した面で、それが現れて、ついに国民が堪忍袋の緒を切ったということだな」
「霞が関は他人事のように受け止めているようだが、とんでもないことだ。政策の失敗の半分は、自民党から政策立案を請け負った彼らにもあるはず。政策に失敗すれば、国会議員は、選挙で責任を問われる。ところが霞が関官僚は、どんな失敗をしても、国民から何もチェックを受けない。そんなことから、自分たちは、特権的人間とでも思っていたのではなかろうか。こんなことが国民の怒りに油を注いでしまい、霞が関官僚批判の分も込めて民主党に一票を投じたものと思う」
「民主党も、霞が関も国民生活に損害を与えた『共同正犯』とみている。そこからその考えが出てきたものと思うが、その一方で民主党のために働いてくれる官僚組織に変えたいという思惑もあるに違いない。そんな裏事情を勘ぐることは別にして、彼らの霞が関改革を勉強しておく必要がある」
民意が雪崩を打って民主党に流れた選挙結果の総括は。
「ばらまき政策がそれなりに支持されたという側面もあるが、自民党長期政権に飽き飽きした有権者が、懲らしめてやれという意味を込めたものではないかな。とにかく長期政権の膿が、制度設計の失敗という形で随所に現れた。農業だけでなく、雇用も、医療も、福祉も、年金も、生活に密着した面で、それが現れて、ついに国民が堪忍袋の緒を切ったということだな」
その矛先は霞が関にも向けられたのか。
「霞が関は他人事のように受け止めているようだが、とんでもないことだ。政策の失敗の半分は、自民党から政策立案を請け負った彼らにもあるはず。政策に失敗すれば、国会議員は、選挙で責任を問われる。ところが霞が関官僚は、どんな失敗をしても、国民から何もチェックを受けない。そんなことから、自分たちは、特権的人間とでも思っていたのではなかろうか。こんなことが国民の怒りに油を注いでしまい、霞が関官僚批判の分も込めて民主党に一票を投じたものと思う」
民主党は霞が関改革をやると公約しているが。
「民主党も、霞が関も国民生活に損害を与えた『共同正犯』とみている。そこからその考えが出てきたものと思うが、その一方で民主党のために働いてくれる官僚組織に変えたいという思惑もあるに違いない。そんな裏事情を勘ぐることは別にして、彼らの霞が関改革を勉強しておく必要がある」
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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