ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座-リン酸肥料リン酸施肥の間違いとその原因=燐酸過剰の弊害

リン酸肥料の種類と性質


 ここまでの話を整理する意味を含めて、以下にリン酸肥料の種類と性質を取り上げ、その使い方について述べてみよう。

 まず、リン酸肥料はその肥効によって、水溶性とく溶性の二つに分けられる。水溶性は、文字どおり水に溶ける形のリン酸成分である。く溶性とは、二%のクエン酸に溶けるリン酸成分である。

 水溶性リン酸は、肥効が速いという特徴を持っている。ところが、水に溶けたリン酸分が容易に土中の活性化したアルミニウムや鉄と結びついて、土に固定されてしまう。

 これに対してく溶性リン酸は、水には溶けず、土に施されると作物の根や粘土によってはじめてリン酸成分が少しずつ溶け出して、ゆるやかに吸収される。このため、肥効は遅いが、肥料の損失は少ないという特徴を持つ。


水溶性リン酸を主体とした肥料…

 水溶性リン酸を主体とした肥料には、過リン酸石灰がある。保証成分として一七%の水溶性リン酸を含み、荷姿は二〇kg、粒状で一袋九九〇円、粉状で八六〇円というのが平均的な値段である。製法は、リン鉱石に硫酸を加えて混合、反応、熟成させたもので、灰白色をしている。

 速効性であるが、土の固定作用を受けやすいために肥効の持続期間は短い。現在は、肥効を高め(直接土との接触を少なくする)、散布しやすくするために粒状に加工したものが主流となっている。粉状もある。副成分として六〇%程度の石こう(硫酸石灰)を含むので、石灰とイオウの給源にもなる。施すときは、播種溝や植え溝に堆肥や有機質肥料とともに施すのが理想。また、硫酸根を含むので水田には使わないこと。

関連記事

powered by weblio