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農水捏造 食料自給率向上の罠

民主党の「自給率60%トンデモ試算」と自民党の「子供だまし自給率キャンペーン」(民主党「戸別所得補償制度」徹底分析2)


トンデモ政策立案者の顔ぶれ

 歴代の民主党「次の内閣(ネクストキャビネット)」農水大臣の顔ぶれと経歴をみれば謎は解ける。民主党の農水族と呼ばれる、山田正彦氏(9・10・12代ネクスト農水担当)、篠原孝氏(同11代)、筒井信隆(3・4・5代、現・ネクスト)の現職3名と、鹿野道彦氏(6代・7代、前回の選挙で落選、今回の選挙で山形1区で立候補)だ。自給率向上と食料安全保障を錦の御旗に、所得補償を立案し一貫して主張してきた議員たちだ。

 鹿野氏は自民党時代、農相として輸入自由化を阻止するために独自の食料安全保障論を国際交渉で展開し、世界から失笑を買ってきた人物だ。フード・セキュリティー(食料安全保障の原語)という最貧国・発展途上国の栄養失調状態を改善するために国連の世界食糧機関が使ってきた人道的概念を曲解し、豊かな飽食の先進国ニッポンに適用したのだ。輸入が増えると弱い日本農業はさらに弱くなり、日本で食料危機が起こりかねないからWTO交渉でイジメないでくれと主張する論法だ。先進国としてのモラルの欠片もなく、誰からも相手にされないこのロジックはいまも引き継がれている。国際交渉の場で日本が蚊帳の外に置かれる現状を作った元凶だ。一方、国内で「米の消費拡大運動」にはじめて政府予算をつけたのも鹿野氏だ。農業が衰退するのは国民がコメを食べないのが悪いという論理で、いまでも毎年「めざましごはん運動」に約7億円の広報予算がついている。

 赤字農家に一番精通しているのが山田正彦氏。自ら経営した肉牛農場で5億円の大赤字を出し、その失敗を引っさげて農業を変えようと政界に身を投じた、民主党を代表する農水族だ。『アメリカに潰される! 日本の食』『小説 日米食糧戦争 日本が飢える日』といった著作がある民主党・自給率向上派の急先鋒である。低い自給率のままでは、「飢えた民衆が略奪を始め、暴動が続発する大飢餓パニックが起こる」と食料危機論を全面展開する。自らの農場失敗の原因の筆頭に米国飼料の価格高騰をあげているだけに、警笛の書というより、氏の米国への恨み節の発露として読める。

 前回の参院選で戸別所得補償制度をマニフェストの柱として打ち出し、民主党大勝の立役者となったのが、篠原孝氏。農水省時代、フードマイレージ論(食品輸入量に輸送距離を乗じた数値で、“地球への環境負荷度合い”を示すという指標)の概念を日本にはじめて導入したとして脚光を浴びた。しかし、フードマイレージ論は国際的にその論拠の脆弱さを指摘されつづけ、いまや学会や政策機関でこの理論を評価、推進する声は少数派になりつつある。篠原氏は、「輸入飼料を使う畜産家、輸入燃料を大量に使う施設園芸農家は経営破たんして当然」(篠原氏と会談した農業経営者談)と言わんばかりの主張を繰り返し、フードマイレージ論をたてに過激なまでに地産地消農業を支持する。要は、あらゆる輸入を敵視する思想に偏っているのである。

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