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【今年の市場相場を読む】
主役を張れるか脇役野菜類
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第159回 2009年09月01日
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ナガナス 旬の夏場に入荷激減。年間通した「棚の確保」で倍増可
【概況】東京市場のナガナスは、ここ数年入荷が漸減傾向にあるが、ナス全体の入荷に対する割合は、ほぼ20%をキープしている。その6割強が主産地福岡からの入荷で、3~6月に大きなピークを作るが、7月には激減して10月まで回復しない。同じ入荷パターンを持つのがシェア14%の熊本。逆に夏場に入荷が増えるのが茨城と群馬で、一応の周年化にはなっているが、夏場はピーク時の3分の1の数量しかない。
【背景】東京市場でナス全体の2割のシェアを持つナガナスは、どんな役割を演じているのだろう。主産地福岡の単価は、ナスの主産地である高知のそれとほぼ同じ。同等の扱いを受けていることになるが、ナス全体のピークである夏場に、ナガナスはごく少量しか出回らない。しかも、この時期のナガナスの単価はナスよりも低い。ナス全体の旬に、ナガナスはマーケットから期待されていないことになる。所詮夏場にはない、という意識がもたらす影響は大きい。
【今後の対応】東京地区でナガナスでなくてはならない需要は、九州出身の消費者か、加工品の「ナスの一本漬け」などごく一部だ。ナスであればいい、という需要に埋没している。ナガナスとしての大きな課題は、ピークである夏場の生産拡大で、少なくとも春からの増加の勢いのまま夏場に入る、という入荷の流れがほしい。そうすれば、そのシェアは現在の倍にまで拡大するだろうし、周年にわたって棚があれば、自然にファンが定着する。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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