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食材本来の機能性をシェフにきちんと語ることができれば、その情報はレストランのお客さんにも届くことになる。お客さんからメニューの説明を求められたとき、レストランのサービス係が「この食材はこういう意味があって使っています。うちはただおいしいだけじゃなく、お客様の健康を考えたメニューを心がけています」って言ってごらんよ。お客さんは「あらそうなの!」って意識して食べるようになるだろ? ただ無造作に食べるのと、情報を脳で味わいながら食べるのと、どっちがおいしいか答えは決まってるじゃん。さらにそのお客さんが、次にほかの友達に会ったとき、一体なんの話するの? そこには電通も博報堂もいらねえじゃんよ。
自分のお客さんに対して、どういう提案の仕方をするかっていうのは、普段からどういう情報を集めているかが密接に関わってくる。どうも百姓ってのは、となりのオヤジの様子をうかがってマネすることばかり考えてるけど、それじゃあ農業書だけを情報源にする世界と一緒。俺はとにかくまわりと違うことをやって楽しみたいから、日頃から農業以外の情報にアンテナを張っている。そうやって手に入れた情報を糧に自分で発想を膨らませることが、提案力を磨くコツだと思うよ。
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浅野悦男 アサノエツオ
エコファーム・アサノ
オーナー
1944年生まれ。千葉県八街市の「エコファーム・アサノ」オーナー。2.5haの圃場で100品目を超える西洋野菜を栽培し、全国のレストランに販売する。ユニークな発想から生み出されるメニュー提案が、イタリアンやフレンチなどレストラン関係者の注目を集め、取引先のシェフたちが「農場参り」を行なっている。
エコファーム・アサノ 脳業発想力
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