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【木内博一の和のマネジメントと郷の精神】
農業にサービス業を融合させる
- (有)和郷、生産組合(農)和郷園 代表理事 木内博一
- 第12回 2009年10月01日
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農業とは一体、何なのだろう。20年前、農業をはじめたころ、私は大きな疑問を感じていた。種を買い、肥料・農薬を仕入れ、生産活動を行ない、機械・設備の減価償却もする。極めてシンプルに考えれば、農業は製造業である。当たり前のように思えるが、あらゆる分野の製造業はオーダーがあって初めて製造にかかる。しかし、自分を含め農家だけはオーダーなしで製造を行なっている。「好き勝手に作ったもの」を市場に出し、結果は「儲からない」を毎年、繰り返している。こんな製造業がこの先、成立し得るのだろうか? 続くはずがない。
そう結論づけてから私は、マーケットインの発想を意識し、事業としての農業に取り組むようになった。マーケットインとは、お客さまの求めるもの=オーダーを絶えずマーケットから広く拾い集める発想と行動のことだ。真っ当な製造業になるために、オーダーに対して生産コストが合う・合わないを判断し、それを仲間の組合員農家に製造委託する仕組みを作ろうと思った。和郷園の始まりである。試行錯誤を重ね、我われは農家都合の「好きなものを作る」レベルから脱し、再生産価格を得られるようになった。実際の事業として形作るのはたいへんだったが、皆の力で瞬く間に成し遂げることができた。
しかしこれは製造業としての第1ステージをクリアしただけに過ぎない。世の中を見渡せば製造業の中でも、発展するものと停滞するものとに分かれる。前者の代表は自動車産業であり、後者は電化製品産業だ。
真っ当な製造業になるために
そう結論づけてから私は、マーケットインの発想を意識し、事業としての農業に取り組むようになった。マーケットインとは、お客さまの求めるもの=オーダーを絶えずマーケットから広く拾い集める発想と行動のことだ。真っ当な製造業になるために、オーダーに対して生産コストが合う・合わないを判断し、それを仲間の組合員農家に製造委託する仕組みを作ろうと思った。和郷園の始まりである。試行錯誤を重ね、我われは農家都合の「好きなものを作る」レベルから脱し、再生産価格を得られるようになった。実際の事業として形作るのはたいへんだったが、皆の力で瞬く間に成し遂げることができた。
しかしこれは製造業としての第1ステージをクリアしただけに過ぎない。世の中を見渡せば製造業の中でも、発展するものと停滞するものとに分かれる。前者の代表は自動車産業であり、後者は電化製品産業だ。
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木内博一 キウチヒロカズ
(有)和郷、生産組合(農)和郷園
代表理事
1967年千葉県生まれ。農業者大学校卒業後、90年に就農。96年事業会社(有)和郷を、98年生産組合(株)和郷園を設立。生産・流通事業のほか、リサイクル事業や冷凍工場、カット・パッキングセンター、直営店舗の展開をすすめる。05年海外事業部を立ち上げ、タイでマンゴー、バナナの生産開始。07年日本から香港への輸出事業スタート。現在、ターゲット国を拡大準備中。起業わずか15年でグループ売上約50億円の農系企業を築き上げた木内氏の「和のマネジメントと郷の精神」。『農業経営者』での連載で、その“事業ビジョンの本質”を初めて明かす。
木内博一の和のマネジメントと郷の精神
起業わずか15年でグループ売上約50億円の農業ビジネスを築き上げた“農業界の革命児”木内博一。攻めの一手を極める氏の経営戦略と思考プロセスを毎月、明かしていく。
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