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過剰の対策、欠乏の克服

根が伸びる条件、伸びない原因



根が伸びるメカニズム 土壌硬度の目安は15以下

 まず、どのような土壌条件下で根が伸びたのか、現場の状況を思い出してみましょう。土は軟らかかったはずです。さらに有機物が含まれ、適度な粒径があり、適量の栄養と水分があったということも思い浮かぶのではないでしょうか。

 これらの条件は、よく考えてみると農業にとって重要な課題とされている事柄ばかりです。つまり、根の伸び具合を通して土壌調査をしているとも言えるのです。これは非常に大事な考え方で、土壌科学だけではわからないことも根の伸び具合から読み取れるということでもあります。

 さて、その根が伸びるメカニズムはどうなっているのかというと、根自身による条件感知と反応があってはじめて細胞が分裂し、伸長するようにできています。土の中で最もよく伸びる場合で日に数_も伸びます。根が伸びる主要因には、前述の通り、土の軟らかさや粒径が関係しています。どれくらいの軟らかさが良いのかは、土の粘性や有機物の含み方にも左右されることから単純な基準は示せませんが、土壌硬度計による測定で15以下が目安になります。これより土が軟かくても根が伸長しないケースもたくさん見られますし、これより硬くなると根の張りは急激に減少していくので、やはり一定の軟かさは必要でしょう。

 また、よく観察してみると伸びていく根はいくつかの根に分岐していることがわかります。逆に、根の伸びが悪い条件下では、共通して根の分岐は少なくなります。根の先端の分岐は、根が何か硬いものにぶつかったときに起こります。これは先端部が障害物を感知するためだ思われます。実際、軟らかな火山灰土よりも、小さな礫を多く含む土にある根の方が多く枝分れしているものです。

 ちなみに、土の中にある岩片や石礫の周りに、白いきれいな根がへばりつくように取り巻いていることがありますが、これは平面状の岩片と土の粒子が合わさる部分に隙間ができ、そこに一定の水分が保水され根に活動できる余地が生まれるため起こる現象です。この現象は、植物が肥料のない自然界でなぜ旺盛に生育できるのかを考えるヒントも与えるもので、根が岩石からミネラルを溶かして吸収できる要因の一つにもなっています。土の粒径はここにも関係しています。


火山灰土以外の土では、有機物施用と根張りが正比例

 根の伸びには、土壌中の有機物の含量も大いに関係しています。ただし火山灰土では、腐植といわれる有機物が根の伸長に寄与するわけではないようです。有機物含量が20%を越えるような真っ黒な表土がよくありますが、この土は土中に80%も隙間をつくってしまうので、その点に原因があるのかもしれません。といっても、腐植をたくさん含む真っ黒な火山灰表土に堆肥や緑肥を施こすと、一転して根はよく張るようになります。

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