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セルリー 洋野菜産地が販売を牽引。中華食材や漬物需要がポイントに
【概況】
東京市場のここ数年のセルリー入荷量は、少ない年で9700t、多い年で1万200tで推移してきたが、08年は1万700tもの入荷があった。対前年比で約5%の入荷増で、単価は1割弱安となった。年末にかけて単価が下がったが、それは入荷増が原因であり、不自然な相場ではない。主産地は長野と静岡で、愛知、福岡が補完している。洋野菜産地が頑張っている感があり、不況の影はあまり感じられない。
【背景】
セルリーは地味な食材だが、ほかに代替が利かない品目でもある。そのため売れ行きいかんにかかわらず、一定量の固定的な需要が存在する。それを見込んで、シェアは2%程度ながら、輸入品が年間入荷しているほどだ。その推移を見るだけで、業務用のサラダ需要を占えるわけではないが、春に急増して夏場にピークを形成していることがわかる。この時期、小売店では品揃え商材の枠を越え、サラダ野菜として扱われている現状がうかがえる。
【今後の対応】
業務用需要の低迷が叫ばれながら、サラダ需要を底支えする脇役的な洋野菜が堅調だという状態は、やはり心強い。また、セルリーに関しては、その需要のうち中華料理で炒め物や煮物に使われている割合や、漬物にされる割合も意外に多い。この食材を一般へ普及させるには、利用法を生食に限定せず、加熱、加工するメニュー提案が必要である。外食メニューへの売り込みを含め、産地側からのアクションがほしいところだ。
サラダナ 他品目が代替できる弱みで衰退か。“おいしさ訴求”で挽回を
【概況】
東京市場のサラダナは、近年入荷の漸減状態が止まらず、03年対08年では入荷量が15%も減った。入荷減に連動して単価が上がるという現象は見られず、04年対08年では15%安。いわゆる衰退品目のパターンを見せ始めた。単価安のため、主産地の千葉と福岡からの入荷は減り気味で、ひとり静岡だけが増勢傾向を見せている。春から夏にかけて入荷面でピークが見られるが、単価は弱含み推移で、需要がついてきていない。
【背景】
サラダナはいわゆる飾りであり、“食べない野菜”である。ほかのツマ野菜と並んで、業務用需要が低迷すると、真っ先に影響が現れる品目群である。こうした“飾り”野菜は、容易にほかの葉物等に代替してしまう。小売用として扱いやすいよう、小袋入りの荷姿を工夫する産地もあるが、消費者もレタスやサニーレタスの次に位置するサラダナには、なかなか手を出さない。サラダナにとっては死活問題に発展しそうな状況である。
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