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ただ、変わった食材を提案するのも大事だけど、それ以上に先を見なきゃダメよ。社会がどう変化するのか、食べ物のニーズがどう変わっていくのか、いろんな情報をトータルに考えて予測すんのよ。イタリアンにしたって、過去のイタリアンと今のイタリアンは違うよ。お客さんだって10年前に20代だった人たちと、今の20代の人たちが同じものを求めているってことはないの。
たとえば昔はイタリアンっていえば必ずパスタだったけど、今はヘタすっとパスタ抜きもある。出るにしても付け合わせ程度ね。一つひとつの料理は少量だけど、そのかわり何品目も出るんだよ。十何皿も出るような店もある。普通のスーパーにあるような野菜だったら、それには対応できないじゃん。
だからうちではニンジンだけで7種類も8種類も作っている。紫色やら黄色やらカラフルだよ。商品のバラエティが豊かだと、それだけいろんな提案ができることになる。美容にいいとか、免疫力が強まるとか、品種ごとの特徴を訴求できるじゃん。そうすれば料理の彩りとして盛り付けるのか、あるいは健康食品っていう位置づけでジュースやスープとして提供するのか、いろんな使い方が見えてくるじゃんよ。
一見好き勝手に多品目を栽培しているようだけど、どんな品目を選ぶかには、ちょっとした条件もある。俺は中学の頃、うちの爺さんから百姓の基本を聞かされたんだけど、当時の教えは今でも大切にしている。「お前はいつか百姓をやるだろうが、こういうものには手を出しちゃならねえ」ってことを教わったの。
まず、収穫時期が決まっていて、収穫したらすぐに売らなきゃいけない野菜は作っちゃダメって。だってすぐに売らなくてもいい野菜なら、仮にそのときの相場が安かったら売らなくてもいいわけだろ? ところがホウレンソウみたいなウワモノ野菜を、今は売りたくないからって、高くなるまで待っていられる?
だから貯蔵の利くものがいいわけ。ニンジンはタネ播いて110日過ぎたら収穫できるけど、だからってすぐに掘らなきゃいけないものでもねえだろ? 12月から堀り始めたって、3月まで4カ月ももつ。畑の中にあるわけだから、倉庫もいらねえじゃんよ。ゴボウもそうでしょ。サトイモやサツマイモだって、掘ったらしまっときゃいい。加工なんかせずに在庫管理するには、根菜類ってのは都合がいいのよ。
そりゃあ俺だって今でこそウワモノを作るよ。だけどそれはレストランにとって必要だから作って、一番おいしいときに出して、値段は俺が決めてんだからいいじゃん。要は不良在庫を抱えちゃいけねえってことよ。
たとえば昔はイタリアンっていえば必ずパスタだったけど、今はヘタすっとパスタ抜きもある。出るにしても付け合わせ程度ね。一つひとつの料理は少量だけど、そのかわり何品目も出るんだよ。十何皿も出るような店もある。普通のスーパーにあるような野菜だったら、それには対応できないじゃん。
だからうちではニンジンだけで7種類も8種類も作っている。紫色やら黄色やらカラフルだよ。商品のバラエティが豊かだと、それだけいろんな提案ができることになる。美容にいいとか、免疫力が強まるとか、品種ごとの特徴を訴求できるじゃん。そうすれば料理の彩りとして盛り付けるのか、あるいは健康食品っていう位置づけでジュースやスープとして提供するのか、いろんな使い方が見えてくるじゃんよ。
一見好き勝手に多品目を栽培しているようだけど、どんな品目を選ぶかには、ちょっとした条件もある。俺は中学の頃、うちの爺さんから百姓の基本を聞かされたんだけど、当時の教えは今でも大切にしている。「お前はいつか百姓をやるだろうが、こういうものには手を出しちゃならねえ」ってことを教わったの。
まず、収穫時期が決まっていて、収穫したらすぐに売らなきゃいけない野菜は作っちゃダメって。だってすぐに売らなくてもいい野菜なら、仮にそのときの相場が安かったら売らなくてもいいわけだろ? ところがホウレンソウみたいなウワモノ野菜を、今は売りたくないからって、高くなるまで待っていられる?
だから貯蔵の利くものがいいわけ。ニンジンはタネ播いて110日過ぎたら収穫できるけど、だからってすぐに掘らなきゃいけないものでもねえだろ? 12月から堀り始めたって、3月まで4カ月ももつ。畑の中にあるわけだから、倉庫もいらねえじゃんよ。ゴボウもそうでしょ。サトイモやサツマイモだって、掘ったらしまっときゃいい。加工なんかせずに在庫管理するには、根菜類ってのは都合がいいのよ。
そりゃあ俺だって今でこそウワモノを作るよ。だけどそれはレストランにとって必要だから作って、一番おいしいときに出して、値段は俺が決めてんだからいいじゃん。要は不良在庫を抱えちゃいけねえってことよ。
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浅野悦男 アサノエツオ
エコファーム・アサノ
オーナー
1944年生まれ。千葉県八街市の「エコファーム・アサノ」オーナー。2.5haの圃場で100品目を超える西洋野菜を栽培し、全国のレストランに販売する。ユニークな発想から生み出されるメニュー提案が、イタリアンやフレンチなどレストラン関係者の注目を集め、取引先のシェフたちが「農場参り」を行なっている。
エコファーム・アサノ 脳業発想力
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