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坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス

農業はノウハウが命


 どれだけ資本力と経営力を備えた企業でも世界に進出できるとは限らない。だが、ノウハウだけは軽々と国境も業界も越えていく。たとえばオランダには病害虫の予察を専門とした企業があり、世界中の顧客先の圃場でデータを自動収集し、データセンターで解析し、最適防除法を顧客農家にフィードバックして儲けている。つまりノウハウを世界中に売っているのだ。ノウハウ提供先が増えれば増えるほど、データの精度も高まるメリットがあり、こうして知的財産を持っているところが、業界を先導するフラッグシップ(旗振り)を発揮できるのだ。

 我が社のシステムもデータ管理センターを整備し、ノウハウをさらに研ぎ澄ませていけば、顧客は日本国内に限られず世界にも通用すると信じている。


オランダの「フードバレー」

 今回の視察旅行では、シリコンバレーの農業・食産業版といえる、オランダの「フードバレー」を視察し人脈を築くことを予定している。オランダは最新技術やオピニオンリーダーが数多く集まっており、小国にかかわらず、米国と同等の農産物6兆円を輸出している農業先進国である。見習うべき点は多いはずだ。

 日本は個々の技術は高くても、試験機関や民間企業、現場の農業者がひとつの産業ブレークスルーに向けて目標や情報を共有していない。しかしフードバレーでは産業発展に向け、品種開発から生産、加工、ブランディングのプロが集積して切磋琢磨しており、一気にプロジェクトが決まって世界を目指すことができる。

 言い方を変えればノウハウが共有される仕組みがあるから、オランダは小さな規模の労働と資本、経営でも発展できているのではないか。行く前から、こう推測している。


イタリアはヨーロッパの鹿児島

 また個人的にイタリア視察も楽しみにしている。南欧は日本における鹿児島に近いのではないかと勝手に思っていて(私の中でイギリスは北海道、オランダとフランスは本州のイメージだ)、参考になることが多いような気がする。

 視察で学んだことは、次号でぜひ発表したい。

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