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エコファーム・アサノ 脳業発想力

食品見本市では「展示されていないもの」を探せ



 ただ、食品の見本市ってのは、展示されてるもんを見たってしょうがねえのよ。俺は「ここに展示もされねえもんは何か」って考える。だって展示されてるってことは、ある程度の人がすでに知ってるってことじゃん。それじゃ意味ねえじゃん。まだ食べ物としての認識がねえものがいいんだよ。

 それで俺は「もっと面白いもんはねえのか?」って聞くの。そうすっとなかにはいるんだよ。「いや、浅野さん、まだおもてには出していないんですけど、こういうのがありますよ」って教えてくれる場合がある。あるいは、俺が変わったものにしか興味を持たねえことに気を留めてくれた人が、後日面白い作物を見つけると連絡をくれるの。だから見本市の情報ってのは、今すぐ役に立つか立たねえかは関係ねえの。いろんな人と知り合っておいたらいつかはプラスになるんだろうなって、そんな気持ちで出会いを大切にしている。

 もちろん種子はタネ会社にお願いして、正規のルートで仕入れるようにしてるよ。検疫を受けたやつじゃねえと危なっかしいじゃん。だけど一回入ってきたものに関しちゃ検疫の問題もねえから、そこから自家採種するわけ。だって日本に合うもの作んなきゃいけねえでしょうよ。

 初めての作物は失敗覚悟で播くよ。ただ、もしうまく育たなくても、そのなかでうちの畑の条件にあったやつが一つや二つは絶対残るんだよ。そこからタネをとるわけ。それで繰り返しやっても、生育が安定してくるには5年はかかるね。だけどこんな選抜作業をやっているうちに、うちの畑の条件にしか合わないタネができてくる。それはつまり競争相手がいないってことじゃん。世の中の市場原理ってのは簡単にいえば競争社会でしょ。それじゃ面白くねえから、俺は競争相手のいない商品を作るわけ。

 変わった作物のタネを播く前には、俺は必ずそれを使った料理をイメージするね。そうすっとどんな野菜ができるのか、出来秋がもう楽しみでしょうがねえ。そのときは売れるとか売れないとか関係ねえんだよ。それでうまい具合に収穫できたら、自分がイメージしていた料理を作ってみて、それがまた自分の思っていた通りにできたときは嬉しいじゃんよ。そしたらすぐにシェフたちに「面白えもんがあるぜ」って言えるじゃん。それで畑にすっ飛んでくるシェフは望みがある。俺はこういう関係が楽しくてしょうがないね。

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