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木内博一の和のマネジメントと郷の精神

補助金は誰に行っているのか

デフレ市場環境のもと、農家に支払われる補助金は低価格競争に拍車をかける要因となっている。物価が安くなることで、その恩恵を得るのは消費者だ。民主党の所得補償が誰に向けられた何のための政策なのか、その理念を問いたい。

 前回、企業の農業参入について書いた。危機感を持って記したが、他方、農家にとって「大いに結構」な側面もある。企業が農業に参入すれば、必ず生産コストは上がる。農産物の今のコストは、農家の家族経営によって普通の企業ではありえない労働環境、待遇の中で実現できている。そのコストを企業製品の原価と販売管理費として置き換えると、ほとんど全部採算割れになるといっていい。そんな状況で農産物は、いま供給されている。


再生産価格を得る契機

 企業参入が一定のシェアを占めるようになったとき、コストに対して適正な価格を得ようという動きが大きくなることが予想される。農家からしてみれば、これまでずっと訴えてきた再生産価格を得ていく契機になる。企業も含めた農業界一丸となって、マーケットへの働きかけができるからだ。

 一方、農家に対し「企業と比べて非効率な経営をしながら補助金をもらいすぎだ」「民主党の所得補償はばらまきだ」との声も聞こえてくる。所得補償の制度についての分析は専門家に譲るとして、問題の本質は「補助金は誰に行っているのか」だ。実際上、「農業を介して消費者に行っている」のである。

 補助金が入ることにより、インフラ産業である農業の初期投資を大きく抑えられる。その結果、補助金なしと比べ、短期間で価格を抑えて出荷できる。それ以上に、現在のデフレ市場環境のもと、補助金は低価格競争に拍車をかける要因となっている。物価が安くなることで、消費者は恩恵を得ている。他産業が払った税金が、農業を介して国民に還元されている。

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