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今年の市場相場を読む

温かさが嬉しい煮物野菜類、カボチャ、メークイン、カンショ、サトイモ

晩秋から冬にかけて、鍋物料理と並んで温かさが嬉しいのは煮物類だ。土物類を中心に果菜類の仲間であるカボチャなど、煮たり蒸したりして食べる野菜類の本番はこれから。当然、入荷量も増えるし値段もこなれる。ほとんどの品目が周年化していても、秋~冬期の煮物需要はやはり強い。ほっこりだったりネットリだったり好みもあるし、調理法もそれぞれだが、このシーズンは煮物野菜の販売に力を入れたいもの。昨年から焼きイモがブームになるなど、思わぬかたちで潜在需要にも火がついた。相場の上げ下げにあまり敏感になることなく、「ここが売り時」だと認識したい。


カボチャ 国産と輸入品が完熟リレー。年越しできる国産の登場が待たれる

【概況】

東京市場のカボチャは、年ごとに入荷の波はあるものの、年間4万t前後の数量はブレない。北海道産が主体の9~10月にピークを作り、春先にもニュージーランド産を中心としたもうひとつの山があるが、入荷は非常にコンスタントで安定需要がある。2つのピーク時には価格もこなれる。九州から関東、東北の各産地がリレーして供給しているが、輸入も10数カ国に及ぶという、ほかに類を見ない品目である。

【背景】

現在定着している年間需要は、単にカボチャならいい、というものではない。いわゆる「完熟カボチャ」としての需要である。輸入品を含む供給リレー体制は、単純な商品リレーではなく「おいしさのリレー」なのだ。販売方法もカット売りがほとんどで、果肉の色やタネの入り方などから、一般消費者でもおいしさを判断できるようになっている。無理して促成、抑制栽培するのではなく、完熟でしかも店持ちがいいことが必須条件である。

【今後の対応】

煮物としてのカボチャは、好みによってホクホク系とネットリ系に分かれる。関東ではホクホク系、というのがこれまでの常識だったが、カンショではネットリ系がヒットしているために、商品提案もそんなトレンドを意識したものを考えたい。また、時期的にいうと11~2月頃まで出荷可能な国産が有望だ。近年は東北産地でチャレンジしている様子が見られるが、これが成功すると、この時期のメキシコ産から需要を奪回できる。

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