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今年の市場相場を読む

温かさが嬉しい煮物野菜類、カボチャ、メークイン、カンショ、サトイモ




メークイン 煮物用として磐石の地位。関東では品揃えから脱する提案を

【概況】

東京市場のメークインは、年間入荷量についてはほとんどブレがない。月別に見ると夏に激減した後、9月以降の北海道産の出回りによって最大のピークを形成し、その勢いは春先まで続く。様々な用途がある男爵が周年需要で支えられているのに対し、メークインは煮物シーズンに特化して出荷の照準が当てられているようだ。北海道産が切れる夏場には単価が高いが、関東では品揃え商品的な地位しかないのが見てとれる。

【背景】

東京市場に入荷されるジャガイモ類は4割が男爵で、メークインのシェアは15%程度しかない。ところが京阪神市場では、メークインのシェアはほぼ5割、市場によってはメークインの入荷の方が多い。煮物の食文化が根強い京阪神地区でのメークインの強さは、煮物向き品種という事情を反映しており、関東市場で煮物の時期に出荷が多くなることとも連動する。煮崩れしにくいという特徴は、一方で売れ筋のポテトサラダに向かないという欠点でもある。

【今後の対応】

京阪神市場のメークインは、男爵に比べ1割前後高い。それだけ人気があるということだが、東京市場でも同様に高くなっており、こちらの場合はそれが需要拡大の足を引っ張る一因となっている。メークインの安値商材を作るために「ひと口サイズ」で対応しているが、肉ジャガにしてもカレーにしても、ジャガイモの好みは「煮崩れ派」と「煮崩れしない派」に分かれる。関東でのメークイン普及は、そんな好み別のメニュー提案が有効になるはずだ。

カンショ 今冬も続く焼きイモブーム。トレンドのネットリ系で勝負を

【概況】

東京市場のカンショは、過去数年は横ばいから漸減傾向が続いていたが、08年秋に突如火がついた。08年10月から前年同月より入荷量が上回り始め、09年3月頃までその傾向が続いた。グラフを見れば一目瞭然だが、10月まで過去の平均値をすべての月で上回っている。急増している割に単価の推移は堅調だ。シェア6割を占める千葉産の入荷急増が目立っているが、少ないながらも鹿児島産の数量、単価が増勢だ。

【背景】

カンショ急増の要因は、煮物ではなく突如起きた焼きイモブームである。昨シーズンは全国のスーパーで約1600台の「焼きイモオーブン」が稼動した。1日1台あたり10~15ケースを焼成するため、本数では約25万本(100~150t)。1本150~200円で販売すると、販売額は1日で4000万円に達する。メーカーによると今シーズンはオーブンの売れ行きから見て15%程度増加するだろうとのこと。各産地とも面積増で万全の構えだ。

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