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【今後の対応】
昨今のカンショのトレンドは、スイーツブームを受けて、軟らかく口あたりの良い「しっとり」系。各産地とも“焼きイモ専用品種”への転換やその増産に注力している。千葉は「高系14号」中心で、茨城は同系統の「ベニマサリ」。鹿児島はマイナーながらしっとり系の「安納芋」に力を入れている。どの産地もホクホク感よりネットリ感を強調するために、デンプンの糖化を促すための貯蔵期間を決めている。今年も熱い勝負が続く。
サトイモ 圧倒的なイモ煮需要。地方食文化見直しの流れを生かせ
【概況】
東京市場のサトイモは、ここ数年で入荷量が35%程度減った。中国産の入荷が激減したからだ。平均単価が上がったのは、安い中国産の減少と同時に、品薄を背景に国産が急騰しているためだ。秋から冬が入荷のピークで、夏場の4倍もの入荷量がある。サトイモの用途はほぼ煮物に限られるためで、東京市場だけでなく東北からの引きも強い。そんな流れを受けて、09年夏以降の入荷は増加気味。その分単価はやや下げ傾向にあるが、需要は活発だ。
【背景】
「イモ煮」といえば、関東以北の地方ではジャガイモやサツマイモではなくサトイモのことである。また、幕の内弁当などには必ずサトイモの煮付けが入っているほど、日本人にとってはDNAレベルで認知されたイモだ。サトイモが「重要野菜」に指定されているのも、単純に品目の見直しを怠っていただけではないようだ。なお、中国産の入荷減を受けて数量調達に困っているのは、加工・業務用需要である。
【今後の対応】
カンショが掘り起こした「ネットリ系」イモに対する需要は、そもそもネットリした食感が売りのサトイモには嬉しい流れである。地方の食文化において定番のサトイモ料理は、旅もの番組や地方食の紹介番組などで盛んにウケている。調理するまでの処理が大変なサトイモだが、剥きイモや下煮品、レンジ調理などの提案によって、売れ行きは違ってくるはず。煮物用のセットメニュー提案など、親切な対応を心がけたい。
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