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【GAPレポート】
JGAP団体認証を活用し、全国1000haの圃場で工程管理の標準化を目指す
- ハラダ製茶(株) 代表取締役社長 原田康
- 第23回 2010年01月01日
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GAP認証の取得状況と、導入のきっかけを教えてください
当社では静岡、岐阜、鹿児島の各県に協力生産者がおり、また屋久島では直営農場も運営していて、原料を調達する圃場は2000haを超えます。2008年に屋久島の農場がグローバルGAPとJGAPの個別認証を取得したのを皮切りに、2009年には各県の協力生産者も続々とJGAP認証を取得しました。当社グループでは、静岡県のハラダ製茶農園(63・2ha)、屋久島ハラダ製茶農園(19・6ha)、島田市の農業協同組合(86・8ha)、岐阜県の茶生産組合(74ha)、鹿児島県の茶生産組合(152・6ha)がJGAPの団体認証を取得し、2010年春までに団体認証の取得圃場が400haを超えてまいります。
GAPが安全安心を担保するためであることはもちろんですが、こうした取り組みは何も最近になって始めたわけではありません。私どもは30年以上も前から残留農薬を検査する機械を導入するなど、商品の安全性には特段の注意を払っているのです。というのも、当社の商品の多くはOEM(Original Equipment Manufacturer)、つまり他社ブランドの製品です。もしトラブルが発生すると、自分たちだけでなく、お客様の信用も失墜させてしまうことになります。メーカーである私どもが果たす責任は大きいと感じていました。
緑茶業界が構造的に抱えていた問題とは?
当社はトレーサビリティシステムの導入にもいち早く取り組んできました。製品から圃場まで遡り、たとえばどんな農薬が使われたのかを追跡できるようにしたのです。ところが会員の農家を調べていくと、注意していても農薬の使い方を間違えることがあるのではないかと感じるようになりました。当の本人は「自分は何十年も農業をやっているが、事故なんて起こしたことがないから大丈夫」と言うのですが、こういう考え方の生産者がいる限り、間違いを100%なくすことは難しいのではないかと思いました。
たしかに農薬の安全性が向上した今では、薬害はそう起こらないと思います。厄介なのは無登録農薬を散布してしまうことです。たとえばケルセンという殺ダニ剤がありましたが、メーカー側の都合で登録を取り下げてしまったことがあります。そうすると前年まで使ってよかったものが、急に無登録農薬になってしまうわけです。容器のラベルには対象作物に「茶」と表記してあり、使用期限を過ぎてもいないのに、それを使った商品は販売できなくなるのです。こういうケースを目の当たりにするうち、農薬の管理をより徹底する必要があると感じるようになりました。
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原田康 ハラダヤスシ
ハラダ製茶(株)
代表取締役社長
1943年生まれ。早稲田大学卒業。1983年よりハラダ製茶?の代表取締役社長を務める。同社は1917年(大正6年)の創業以来、90年以上に渡って茶の製造販売を手がける。
GAPレポート
世界80カ国の5万農場がグローバルGAPの認証を取得するなど、GAP認証制度は世界中に広がっている。わが国でも日本GAP協会のJGAPをはじめ、自治体や流通業者ごとのGAPが普及しつつあるが、その取り組みは緒についたばかり。適正な農場管理を実現し、競争力ある経営をもたらすツールとして、GAPをめぐる動きを報告する。
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