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10年程前のAV会社時代、会社訪問に東大生が3人で来たことがありました。話をしていると非常にバランスの良い学生で、とても東大を出て新卒でAV会社に入ろうという変わり者には見えないので、「君たちは自分の箔付けに来たね!」と問い質したところ、「バレちゃいましたか。今後の入社試験面接で訪問した企業を質問されるので、ウケ狙いで御社に来ました」と悪気もなく白状するんです。僕は怒るどころか感心しきりです。「やっぱり東大はスゲーや!」。目標を定め、傾向を探り、方法論を導き出してそのために些細な要因であっても貪欲に積み重ねる姿勢は、立派に闘う社会人そのものです。
面接官にただ頭の良い真面目な学生ではなく、幅広い見識と知的好奇心が旺盛であることをアピールしたかったのでしょう。
なぜこんな昔の話をしたかと言いますと、国立ファームに来る社員は全員が準備不足なんです。働く目的は何なのか? もっと言えば、生きる目的は何なのか? すらも考えていません。当然、職場という戦場での生き残り方や勝ち方も想像していませんから、武器も持たずにサンダル履きで行き当たりばったりで戦場に入り込んできます。本来ならば士官学校とまでは望みませんが、兵学校で闘うための姿勢という種を蒔かれて、3・4年かけて発芽してから定植(入社)させたいのですが、今の兵学校(大学)ではその教育をしていないようです。さらに言わせてもらうと、「親の顔が見てみたい」と思うような足腰の弱い軟弱な子供を育てている親が多いようです。
兵隊がいないから、士官がいないから、戦争ができないと言ってしまったら零細企業は成長しません。
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高橋がなり タカハシガナリ
国立ファーム(有)
代表取締役
1958年生まれ。専門学校卒業後、佐川急便にてドライバーを経験。その後テリー伊藤に見込まれ、「元気が出るTV」などのディレクターを務める。30歳で起業するも、二社の経営に失敗。三度目の正直でアダルトビデオメーカー「ソフト・オン・デマンド株式会社」を設立。10年で100億円企業にまで育て上げて引退する。2006年4月に「青葉株式会社」を立ち上げ、農産物の生産から流通、販売まで一貫して取り扱う「国立ファーム設立準備室」を青葉株式会社内に作る。過去にNTV「マネーの虎」に出演して一躍注目を集めたほか、『サイゾー』『Big tomorrow』『Ray』『R25』『フロム・エー』など多くのメディアに登場。人生を切り拓く独自の哲学が若者のみならず多くの人々の共感を得る。著書に『がなり説法』(インフォバーン)、『がなり流!』(青春出版社)、『社長の遺言』(インフォバーン)などがある。
高橋がなりのアグリの猫
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