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思い込みの職業習慣に惑わされないために
当然のことではありますが、人は物事を考え、判断するという一連の思考を繰り返し行なっています。農作業の段取りを考える時や品種を選定する時も同様です。忙しい生産現場にいながらもそういったことができるのは、その作業について自分が_知っている_からです。
その情報源は人から聞いた話や書籍などいろいろ考えられますが、気をつけなければならないのは、そういった情報にはほかの人の思い込みも含まれている場合があり、その思い込みが情報を通じて自分の中にかなり強く入り込んでくるということです。
農村に新技術を伝えている、ある農業改良普及員が先輩から教わった言葉に、「朱に交われ、されど赤く染まるな」というものがあったそうですが、人の考えは知らないうちに影響を受け、染まってしまいがちです。農業者にとっても誰も使っていない農業機械を導入することは、自分に信念がないと、なかなかできることではありません。
ほかの人がやっていないことを実行できるようになるには、まず自分がいる地域の皆の思いこみが誤りだと気づくことができなければなりません。それには、ほかの地域の事例を知ることも必要です。それによって農業機械や農産品の加工プラント、農薬などの導入の正否も判定しやすくなってきます。
しかし、土の化学的性質については、どのような状態にしておくのが正しいのかなどに多様な考え方があり、導入するべきか否かの判定が大変難しくなります。そもそも化学的性質というものは私たちの目には見えず、現在の土壌状態が良いのか悪いのかは結局のところ誰にも分からないものです。そんな時、農村社会の人間集団はある風潮によって思考が支配されます。その風潮とは、職業習慣です。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
過剰の対策、欠乏の克服
「土壌診断」という言葉は農業界に浸透し、多くの人がその必要性を感じているものの、調査は専門機関に委ね、その処方に基づいた施肥を行なってきたのが現状だ。ここでは現場で農業者が主体となって行なう土壌調査と診断方法について紹介していく。
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