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視点

街おこしはフルーツパフェで

  • 「フルーツパフェの街おかやま」 実行委員会 委員長 赤木啓治
  • 第69回 2010年02月01日

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 地域に昔からあった独自の食文化、あるいは特段に古くはないが地域産品を用いた料理をうまく使って、地域活性化を図る動きが目立っている。B-1グランプリ(編集部註・ご当地B級グルメで街おこしをしている団体がその人気を競うイベント)は、その最たるものだろう。

 我が岡山市でも、岡山商工会議所が中心となって、地域資源のブランド化、農商工連携の促進および地産地消の推進ができるものはないかと考えた。いろいろな意見が出たが、岡山は全国有数の果物王国であることを踏まえ、旬の県産果物を活用したレシピを開発することになった。そこで思い付いたのが、フルーツパフェである。昨年3月から本格的に始まった「フルーツパフェの街おかやま」プロジェクトは、ほかのご当地グルメにはないユニークさもあってか、県内はもちろん、首都圏の生活者までにも徐々に知られるようになってきた。


アイデアはお店のオリジナル

 このプロジェクトに賛同し加盟する飲食店によって提供されるパフェは、それぞれにアイデアを凝らしている。岡山の名物であるきびだんごを取り入れたパフェもあれば、ある牧場直営のカフェでは自家製の生乳をクリームやアイスを使っているパフェも味わえる。初夏から秋はモモやメロン、冬から春にかけてはナシやイチゴといったように、時期によって種類は異なるが、県産の果物を最低1品使ってもらうというのが条件になる。ただ、果物は市場から仕入れてもいいし、こだわりを持つ店舗は生産者と直接取引しているとも聞いている。まだそういう事例はないが、農業経営者が経営する直売所の喫茶ルームなどで自分が手をかけて作った果物をフルーツパフェで食べていただくというのも面白いのではないだろうか。


果物の華やかさを活用

 数年前まで全国一の喫茶店数を誇っていた岡山市だけに、フルーツパフェというメニューを受け入れる素地があった。ただ、それ以上に果物が持つ華やかさをパフェというメニューを通して演出することができたのも、好評をいただけている要因に思う。

岡山は果物であれば何でも生産できるがゆえに、かえってアピール力にかけるという意見も時折聞かれる。たしかに、隣県の広島や兵庫のように名が知られた観光資源には乏しいのは否めないが、このプロジェクトを通じて、街おこしをし、地域の魅力を広く発信していきたい。
 川下である商工業者の発案から始まったが、ブランドを強くアピールして果物王国岡山ここにありと示し、その結果、川上である農業界が活性化されることを期待している。

(まとめ・紺野浩二)

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