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【木内博一の和のマネジメントと郷の精神】
賞賛する力が農業界を強くする
- (有)和郷、生産組合(農)和郷園 代表理事 木内博一
- 第16回 2010年02月01日
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農業の多様なロケーション
本誌12月号で、高橋がなり氏から本コラムが面白くないとの指摘を受けた。それにより、いまの時代の「多様な農業のあり方」を類型的に促え直す機会を得た。がなり氏に謝辞を述べたい。
がなり氏が批判した意図は「効率よく儲かる農業の仕組み作り」を述べるという姿勢が当たり前でツマラナイとのこと。私は戸惑いを覚えた。同じ農業といっても、がなり氏と私のロケーション(立ち位置)はまるで異なる。
農業を大きくわければ、農的暮らし、農的副収入、専業農業の3つに分類できる。細かくいえばさらに枝葉でわけられる。そこで農に関わっている人たちは、それぞれポリシーだったり考え方をもっている。そのため、農業政策にしても、全部をカバーしようとするのは不可能となる。例えば、食料自給率をあげるのか、それとも、日本の農業を産業化するのかなど、ピンポイントに焦点を絞り、展開する必要がある。
田舎の農業と都会の農業
がなり氏と私の農業の何が違うかといえば、私は田舎で、がなり氏は都会で農業をしている。そもそも我われの住む村には産業がない。暮らしを守るには、地域の持つ資源を最大限に活用して、産業を創り上げていかなければならない。一番豊かにある資源は農産物を生み出せる土地であり、その出口としての農業なのだ。そうして産業を創り雇用を生み出さなければ、地域そのものの存続ができない。つまり「生活」のための農業をしているといっていいだろう。そんな中、マーケットについて勉強し、需要に対応した生産のあり方をつくることで発展してきた団体が和郷園である。
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木内博一 キウチヒロカズ
(有)和郷、生産組合(農)和郷園
代表理事
1967年千葉県生まれ。農業者大学校卒業後、90年に就農。96年事業会社(有)和郷を、98年生産組合(株)和郷園を設立。生産・流通事業のほか、リサイクル事業や冷凍工場、カット・パッキングセンター、直営店舗の展開をすすめる。05年海外事業部を立ち上げ、タイでマンゴー、バナナの生産開始。07年日本から香港への輸出事業スタート。現在、ターゲット国を拡大準備中。起業わずか15年でグループ売上約50億円の農系企業を築き上げた木内氏の「和のマネジメントと郷の精神」。『農業経営者』での連載で、その“事業ビジョンの本質”を初めて明かす。
木内博一の和のマネジメントと郷の精神
起業わずか15年でグループ売上約50億円の農業ビジネスを築き上げた“農業界の革命児”木内博一。攻めの一手を極める氏の経営戦略と思考プロセスを毎月、明かしていく。
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