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【特集】
稲直播栽培の技術的可能性と経営的問題点
- 編集部
- 1994年12月01日
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今、直播への関心が高まっているようだ。現在の米価水準がこのままいつまでも続くとは考えられないことから、稲作経営者にとっては経営コスト低減の手段として当然検討されるべき技術であり、重要な経営素材である。
しかし、多くの評論家や指導者たちが、それをいかにも稲作経営「省力・低コスト化」の決め手であるかのように語る「直播のすすめ」には、本誌は幾らかの危惧を感じる。その技術的可能性を語ることと現実の経営的判断とは別物であると考えるからである。少なくとも、自然条件を含めた経営環境条件の決定的に違うアメリカやオーストラリアで直播が行われているからといって、それと「省力化を競う」ためだけに「まず直播ありき」とするような机上の空論に経営者は乗せられるべきではない。
例えば、今年のように好天に恵まれた年はともかく、昨年のような年といわずとも、春先のわずかの天気の異変によって播種法の変更や播種後管理の手当てへの配慮など、その苦労は、先進的に直播に取り組んで経営的成果を上げておられる三人の経営者の方々のお話からもよく分かる。
育苗作業が省力されるといっても、播種後一ヵ月間の発芽、苗立ち、水管理などへの気遣いは研究者が報告する労働時間には含まれていない。また、今回ご報告いただいた三氏は、それぞれ違う条件の中で、「それぞれの経営戦略の中で」直播の導入をされていることにご注目願いたい。
直播は、仮に「省力技術」ではあり得ても、むしろ「篤農技術」と言うべき高い技術知識と経営判断力があって初めて成立するものであることを肝に銘ずるべきではないか。また、三氏の報告とあわせて、農水省技術会議の松村氏に、直播についての技術開発の現状と問題点をご解説いただいたので、参考にされたい。
以下、現在「水稲用直播機」として市販されている三社の播種機について紹介する。
しかし、多くの評論家や指導者たちが、それをいかにも稲作経営「省力・低コスト化」の決め手であるかのように語る「直播のすすめ」には、本誌は幾らかの危惧を感じる。その技術的可能性を語ることと現実の経営的判断とは別物であると考えるからである。少なくとも、自然条件を含めた経営環境条件の決定的に違うアメリカやオーストラリアで直播が行われているからといって、それと「省力化を競う」ためだけに「まず直播ありき」とするような机上の空論に経営者は乗せられるべきではない。
例えば、今年のように好天に恵まれた年はともかく、昨年のような年といわずとも、春先のわずかの天気の異変によって播種法の変更や播種後管理の手当てへの配慮など、その苦労は、先進的に直播に取り組んで経営的成果を上げておられる三人の経営者の方々のお話からもよく分かる。
育苗作業が省力されるといっても、播種後一ヵ月間の発芽、苗立ち、水管理などへの気遣いは研究者が報告する労働時間には含まれていない。また、今回ご報告いただいた三氏は、それぞれ違う条件の中で、「それぞれの経営戦略の中で」直播の導入をされていることにご注目願いたい。
直播は、仮に「省力技術」ではあり得ても、むしろ「篤農技術」と言うべき高い技術知識と経営判断力があって初めて成立するものであることを肝に銘ずるべきではないか。また、三氏の報告とあわせて、農水省技術会議の松村氏に、直播についての技術開発の現状と問題点をご解説いただいたので、参考にされたい。
以下、現在「水稲用直播機」として市販されている三社の播種機について紹介する。
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