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【今年の市場相場を読む】
不況下で肉食拡大を占う野菜、ネギ、ナノハナ、ブロッコリー、カリフラワー
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第164回 2010年02月01日
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ネギ 中国産の減少を国内産地が補完。鍋需要の活発化で家庭に定着
【概況】
東京市場のネギは、06~07年にやや入荷が減ったものの、08年は急増し09年も高い入荷水準を保っている。ネギの動きを見るうえで不可欠なのは、中国産の入荷動向だ。中国産は04年に5600tを上回り、シェアも10%程度まで伸長したが、主に小売店での中国産敬遠気運の影響で年々減少し、09年はついに2000tを切った。中国産が激減したために入荷の全体量は落ちたが、それを国産が精力的に代替している。
【背景】
市場経由で中国産を重用していたのは、加工業務用需要である。不況で業務用が勢いを失った分、中国産の需要が減ったのであれば、単純に入荷量が減るだけだ。が、減少分を国産が代替しているとなると、一部は業務用の国産化が進んでいるとしても、全体の増勢は一般需要が強いことを意味している。とりわけ冬場の内食といえば鍋であり、ネギの売れ行きは小売店で家庭需要の趨勢を占う品目である。ネギの入荷動向からは、内食が健在だと見ていい。
【今後の対応】
家庭での鍋需要が活発なら、煮ネギを中心としてネギのマーケットは裾広がりだ。東京市場には下仁田ネギや仙台曲がりネギ、蝦夷ネギ、新潟や秋田産の雪下ネギなどの多様な煮ネギが入荷している。このほか平田赤ネギ、越津ネギなど地ネギ、_鍋専用_ともいうべき「なべちゃん葱」もある。小売店レベルでの鍋提案に、ネギ産地は大いに連携していくべきだ。その一方で、中国産に代替しうる生産体制も課題。一気に中国産を駆逐する意識が必要だ。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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