記事閲覧
【今年の市場相場を読む】
不況下で肉食拡大を占う野菜、ネギ、ナノハナ、ブロッコリー、カリフラワー
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第164回 2010年02月01日
- この記事をPDFで読む
【今後の対応】
不況下でもブロッコリーは消費者から支持されている。調理が簡単でレンジ対応も可能だし、冷凍もできる。緑黄色野菜だから栄養面でも安心できる。いつも値頃で売られるようになったのだから人気はなおさらだ。生産面の課題としては、春秋の供給がまだ安定していない。産地の規模の問題もあるが、より計画的な出荷体制が必要だ。また、供給過剰時においても、茹でて冷凍すればいつでも利用できることをPRすることで、買い支えが強化される。
カリフラワー 小玉が家庭需要を喚起。不断の消費提案が需要回復の鍵
【概況】
東京市場のカリフラワーは、不作で入荷が激減した05年の翌年には一気に増えたが、単価も暴落した。そのため07年は入荷を減らして単価の回復が図られた。以降、09年まで横ばい傾向が続いている。ブロッコリーの産地とはあまり重複しておらず、茨城、福岡、長野、徳島などの洋菜産地が横並びで供給している。サラダシーズンの春から夏にかけては逆に供給が減っており、業務用中心の商材となっている。
【背景】
06年に急増したのは、減りすぎた前年をカバーする意味もあったが、小玉カリフラワーの生産が増えたことも関係している。大玉が業務用向けだとすると、小玉は家庭用にと開発されたもので、種苗会社や卸売会社が連動して増産に関わる事例もあった。ただしその後の不況で、一般需要が極端に落ちている。せっかく家庭需要に端緒が出てきた矢先の不況は、なんとも間が悪いが、それでも消費者の一部に支持層ができていることは確実。
【今後の対応】
いまや業務用需要が中心の品目となっており、盛衰の行方は一般需要をどう獲得するかにかかっている。小玉の生産なら反あたりの生産本数は多いのだから、大玉の単価より安く供給できるはずだ。ブロッコリーの成功事例を見るまでもなく、販売単価が安くて供給が安定していれば、一般需要への定着は可能である。主要産地がこれ以上生産を減らすことなく、地道にマーケットを開拓する方針を持つことが求められている。
会員の方はここからログイン
小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)