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海外レポート

ヒール宮井のAGRITECHNICA2009訪問記 後編

ドイツ・ハノーバーで2年に1回開催されている世界最大の農機展示会、AGRITECHNICAに北海道長沼町のヒール宮井こと宮井能雅氏が参加したのは先月号の同氏のコラムでもお知らせした。今月号では、先月号に引き続き、会場で宮井氏が撮影した農機の写真を中心に掲載する。

ドイツで見えてきた北海道農業の行く末

 さて、前回の続きである。2番目に紹介していただいたコントラクターはコンバイン、トラクターをそれぞれ15台以上所有していた。麦刈の料金は1haあたり120ユーロ(約1万5000円)、北海道の標準作業委託価格の3分の1である。ライバルは多いのか聞いてみた。「こんな小さな町にライバルは2社ある」そうだ。

 農家の平均は30~40haで十勝並みだが、この面積では営農は現実的に不可能であるので、われわれの様な会社が存在している、とも言っていた。民主党の先生方、よく聞いてくださいね。兼業農家を助けるのが農業支援にはならないのですよ。

 ヘニング、彼の家に行くのは3回目だ。1978年に国際農友会を通じてドイツから北海道・本別町にやって来てひと夏研修を行った。ドイツでもヨーロッパ内の国に研修に行くのは多いが、当時アジアに行くのは初めての試みだそうだ。その後、当時の国際感覚の鋭さを利用して、東西ドイツの壁がなくなると、積極的に旧東ドイツの農地開拓を始めた。彼は1980年代には30haあれば十分に暮らせたが、今では最低100haは必要だと発言する。これすなわち北海道でも将来同じ様になるということでもある。そうなると必然的に自分の生きる方向性は見えてくる物だ。栽培作物はビート、小麦、大麦、菜種は搾油用とバイオ燃料になる。気になる農地の価格は1haで130万円と価格としては安いが、小麦販売価格も安い。3年前は1tあたり250ユーロ(約3万1000円)が今年は125ユーロ(約1万5000円)に下がった。一昨年の穀物価格高騰は全く関係ないと言っていた。背景にはEUの拡大に伴い、農作物の移動が容易になり旧東欧諸国からの移入が増えたと語っていた。経費削減のため化学肥料から堆肥を活用することになり、おもに鶏糞が用いられ散布量は1haあたり8tで価格は13万円らしい。

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