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特集

稲直播栽培の技術的可能性と経営的問題点

 耕起して田面を膨軟にしたあとへ雨が降るから、乾田直播ができないのなら、不耕起のままワラを焼き、時期をまって穴播きすればよいのではないか。翌年はその方式に切り換えてみた。ところが、そのころになると晴天の日ばかりが続き、圃場は真っ白く硬くなり、穴播き用の播種機では穴が開かない。播種機に重石を載せても、一cm程度の窪みができるくらいで覆土もできない。播いてはみたが、芽は出てこない。

 仕方なく、田にトラクタを入れ、播いた種子が飛び散らぬ程度にゆっくりロータリを降ろし、わずかに地表面を爪がかすめるくらいの位置でロータリを高速回転させながら進行させた。それによって、上が微粉状になって舞い上がり、その窪みを埋めた。それでようやく発芽が促され、ほっと一息をつけた。


芽出し・根出し種子直播

 前年のワラが散らばっているから穴播きの播種機が使えない。だからワラを焼いてしまえばよいと考えたわけだが、しかし、ワラを焼いてしまえば有機物の大部分が損失してしまうことになる。そこで翌年は、不耕起のまま年を越し、播種時期を待って好天を見計らって急きょ耕起砕土して播種しようということでやってみた。ところが思いもかけず、豪雨のような夕立などもあって、播種作業が一時とん挫してしまう。

 どうも乾田での播種作業は気象条件に大きく左右され、うまくいかない。かといって湛水直播にすれば水揚げ、代かきという行程があり、周辺の農地に迷惑がかかる。どんな気象条件下でも播いて発芽不良にならぬ方法はないものなのだろうか。そこで考えたのが芽出し種子の播種である。

 発芽不良が問題なら、あらかじめ発芽させ、根を出させてから播いたらどうか。これならカルバー粉衣もせず、費用も手間もいらなくなる。そこで、種子を風呂につけ、芽を出し根を出したものを散播してかく挫してみた。湿っているか滞水している圃場だから、すぐに活着して五日もすれば、芽は青くなって出てくるではないか。これなら降雨滞水条件下の圃場でも十分やれる。そして、それ以後一〇年間、悪条件下での播種作業は、すべてこの方式でやり通した。その間、芽出し、根出しした種子を播ける機械を作ってトラクタに装着し、これぞ全天候型直播栽培ということで能率をあげることができた。


裏作のために直播から成苗田植えへ

 しかし一方で、減反が進み収入減となるため、裏作を復活させた。裏作を拡大しながらの直播となると、麦の収穫後に耕起、播種作業が行われるため、水稲の播種作業が遅れ、しだいに収量減となりつつあった。

 五九年二月から三月にかけて珍しく雪が降り、麦の生育が一週間以上遅れた。このことによって水稲の播種作業は決定的に不可能となり、不本意ではあったが、直播は中止せざるを得なくなった。それからは、晩期作が可能な成苗田植えに切換えた。

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