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特集

稲直播栽培の技術的可能性と経営的問題点

直播成功のための五つの関門

 こうしたことをふまえたうえで、直播を成功させるためには、次に上げる五つの関門をくぐりぬけなければならない。

【(1)まずは発芽、苗立ちさせること】
 乾田直播の場合、圃場が過湿でなく好天続きなら、未発芽の種子を播けばよいが、圃場が過湿で降雨が確定的な場合には、発芽時の種子が泥水に浸ることとなり、酸素不足をきたし失敗する。カルバー粉衣も一法だが、手間もかかり、経費もかさむ。そんな場合には「芽出し・根出し播き」をすれば、経費もかからず苗立ちも早く、成功する。

【((2)雑草の抑制】
 雑草抑制は、直播を可能にする重要な要件である。乾田直播なら圃場の乾湿の程度で異なるが、播種後八日から一二日くらいの間に土壌処理剤と接触剤を規定よりやや多めに散布し、これでも生えてくれば、一週間後に接触剤を主体として散布する。

【((3)深水の水管理】
 水管理については、生育前半は水位をやや高めに維持し、雑草抑制を兼ね順調な生育を促すように心掛ける。

【((4)施肥の工夫】
 乾田直播の場合、とくに不耕起の場合にはなおさらのこと、緩効性肥料を使用するなどして、極端に肥効を落とさぬ工夫が必要である。

【((5)病虫害防除】
 病虫害防除については、とくに出穂前後に低温多雨気象が長く続いた年は体質が弱まっているため、穂首イモチに要注意である。

 直播は乾田であれ湛水であれ、いずれにしても順調にいけば、能率も上がり労力も軽減されるが、それは緻密な配慮と実行が伴わなければ、大失敗をおかす恐れが多分にあることを忠告しておきたい。


考えるべきは自らの農業経営戦略

 これからの経営戦略として単作でいくなら規模は大きくしなければならず、労力も節約したいというのであれば、前述の条件を満たすことを前提に、地域の気象条件にあった方式での直播をぜひとも実現成功させていく必要があろう。

 ただし、二毛作ができるところは裏作としてどれだけ価値のあるものを産出できるかにかかっている。麦の価格も下がって採算がとれず、他に有利な作物ができない場合であれば、単作の場合と同じ考えでよいかもしれないが、もし有利な作物がある場合には、その面積によっては田植え方式を選択することもやむを得ないのではなかろうか。いずれにしても、直播を選ぶか田植えを選ぶかは、自らの経営戦略としての判断となろう。

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