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特集

稲直播栽培の技術的可能性と経営的問題点

 湛水直播ではこのほか、ラジコンヘリコプタや乗用型散布機を利用した散播方式、落水土壌に溝けけしながら無覆土播種する溝付け条播方式が試みられており、ほぼ実用化段階に入っている。

 以上の乾田・湛水方式に加え、折衷直播と呼ばれる新たな方式も検討されている。これは、播種を畑状態で行い、播種直後に入水する方式である。

 農業研究センターでは、折衷直播として、ソロバン玉状の作溝播種機を用いた作溝培土直播を開発中である。これは作溝しつつ無覆土播種、あるいは軽い押し込み播種を行い、入水後の土壌崩落により徐々に覆土する方式である。苗立ちが良好なのと、分げつ期に乗用管理機で溝崩し除草培土を行うので、倒伏に強く、雑草害が少ないのが利点である。浅水管理によりカモ害も防げる可能性もあるが、無代かきなので漏水田には向かない。


直播での栽培管理は「移植に準ずる」ではだめ

 直播の栽培管理は、現状では移植栽培以上に気を配る必要がある。その点で、決して「移植に準ずる」ということはできないだろう。

 雑草防除面では、まず除草剤の散布時期が幅広くなり、播種後の処理だけでなく発生状況を見て散布する必要性が高まる。これは乾田直播だけでなく、湛水直播でも初期水管理か多様化するため同様である。

 除草剤の種類も、以前は乾田直播ではサターンバアロとスタム、湛水直播ではサンバードとバサグランぐらいしか利用できなかったが、最近、新除草剤が市販化されつつあり、ひと昔前に比べ選択の幅がぐっと広まった。しかし、直播は雑草と稲の生育のスタートラインが同じであり、移植に比べ安定した防除ははるかにむずかしい。

 他方で除草剤を多用することは、コスト面はいうまでもなく消費者ニーズや環境保全の点からも、いまや許されることではない。したがって、直播の雑草防除は除草剤利用を基本として、機械除草や深水などの耕種的防除を併用して行う必要があろう。

 先に紹介した作溝培土直播では、機械除草を培土という形で実施し、防除のための「カード」を多様化させているが、その他の直播法も、それにともなった防除体系の検討が行われている。

 肥培管理面では、直播では初期の作物体が小さく元肥の利用率が低いので、むしろ中間追肥を中心とした施肥法や緩効性肥料の積極的利用が効果的である場合が多く、いろいろと検討されている。直播方式によっては、従来の移植の施肥法とかなり変わるものがある。

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