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特集

稲直播栽培の技術的可能性と経営的問題点

 もう一つ深水の条件とともに、無代かきというのも大切な条件の与え方です。耕起・均平した圃場に入水しますと、土壌の表面は水によって崩され、軟らかい層を形づくります。代かき作業を行うことなく、ここに種モミを播きますと、深く入り過ぎず、かつ表面にも出ず、発芽苗立ちによい条件となります。

【コーティング処理不用で倒伏にも強い】

 無代かきにはもう一つ大きな効果があるのですが、それは後で述べます。表層に近過ぎて倒伏を誘発するのではと心配されるかもしれませんが、後でふれる施肥法や無代かきの条件が根の張りをよくするせいでしょうか、移植と比べ問題となるような倒伏はありません。

 以前、酸素供給剤をコーティングして、やや深めに播く方法も試みましたけれど、深く入れれば地温が低くなるだけマイナスと思われる現象が見られました。現在の無代かき深水の方法で、十分な苗立ちと倒伏回避性が得られているので、わざわざ資材と作業を要するコーティング処理はいらないと判断しています。

 重ねていいますと、寒冷地といわれる東北であっても、低温での種子予措・本田の深水管理の条件を与えれば、発芽苗立ちの心配はありません。当然のことですが、圃場の均平性の確保、稲ワラの処理などについては十分な心くばりが必要です。


圃場整備を機械的にとらえることの愚

 直播の省力効果を発揮させるうえで大区画化は意味があると思いますが、圃場整備を余りにも機械的にとらえると、本当の「整備」にならないこともあります。私の山裾の水田は昭和三〇年代に開田したところで、傾斜があり、圃場の下はそれ以前の水脈が生きています。ですから、排水を管理するには、この水脈を管理するだけで十分なのです。

 大区画化の工事をしたとき、機械的に櫛目状に圃場内に暗渠を入れることなく、自然の水脈の下流部をつないで圃場の外に導くよう施工しただけで、十分な効果を上げています。もし機械的に櫛目状の暗渠を入れたならば、工事費の高騰はもとより、水持ちの悪さをもたらしてしまったと思っています。

 均平性の確保にしても、機械的にやろうとして一時的に平らになっても、盛土部分と切り土部分ですぐに差がついてしまいますから、結局、田んぼごとの個性を理解しながら面倒を見るよりほかありません。

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