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特集

稲直播栽培の技術的可能性と経営的問題点

これからの米作りのために

 私が長年の経験で確信を持つに至った、この無代かき深水直播法は独特の施肥法とともに低コスト生産技術と信じています。印旛の大規模水田においてもこのアイディアを生かしてもらっています。

 厳しい情勢という言葉も聞き飽きたほどです。これからは農家が農家自身のために低コスト化への試みを続けなければならなくなるでしょう。今日のこの紹介が皆さんの米作りの将来にお役に立てば幸いです。


直播稲作を組み合わせて作期分散を図る大規模経営

(滋賀県虎姫町 藤井吉造)


コスト意識と企業者としての発想

 「日照りに不作なし」という。この諺どおり、今年の稲作は史上最高に近い豊作の秋となった。その理由は高温多照の好天候に恵まれたこと。さらに私たち農家が、昨年の大不作の体験から、危機感をもって、上づくりや肥培管理に努めるなど、稲づくりに一生懸命心がけたことを私は指摘したい。

 しかし、低米価、転作による生産調整に加えてミニアムアクセスによる米の輸入などの、稲作をとりまく環境がきびしくなる今日、昔のように豊作を手放しで喜んではいられない。農業の国際化は激しく進んでいる。生産コストの低減が叫ばれ、「産業として自立し得る農業」への再編成が大きな課題となっている。

 産業として自立し得る農業とは、従来の生業的な農業とは違って、企業的な取り組みを不可避とする農業である。つまり、コスト意識と企業者としての発想を持たなければ、プロ農家として生き残ってはいけない。そんな時代に、私どもは突入しているのだと思う。


規模拡大の歩みとスケールメリットを発揮させる努力

 ビロード織物業を営む第二種兼業農家の長男であった私は、「国民の食糧を生産する農業は、もっとも大切な産業である。だから第一次産業と位置づけられている」と、農業高校在学時に教わった。折しも、機械化農業が急速に展開する時代であった。就農と同時に、低コスト生産の大きな手段である規模拡大に取り組んできた。

 私は借地によって規模拡大を行ってきた。確かに、これまで一haの農地取得も行ったことはあるが、経済の高度成長によって地域の中に安定した兼業化の条件が広がってきたことから、もっぱら、借地型規模拡大の道を追求してきたのである。その結果、就農時のわが家の経営は、水田わずかに〇・九haの小さなものだったが、三四年たった現在では、その約二八倍、二八haの経営面積にまで発展してきた。

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