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特集

稲直播栽培の技術的可能性と経営的問題点

 水洗いをして塩分を除いたあと、浸種催芽であるが、ハト胸以上に出芽させないことである。出芽し過ぎると、コーテインクマシンでカルバー(酸素供給剤)を粉衣する際に芽を折り、苗立ちを悪くさせるからだ。したがって、浸種は日陰で行い、毎日種子モミの出芽状況を観察することが大切である。

 カルバー粉衣は播種前日に行う。水を噴霧して種子モミを湿らしながら、カルバーを粉衣するが、粉衣の良否がよい苗立ちと播種精度に影響するので、慣れるまでは経験者の指導を受けて行うことが適切である。作業時間は種子モミ一五kgを一五~二〇分、作業後種子モミをうすく広げて陰干しをする。

【[2]本田の準備】

 水もちがよく、かん排水が楽にできる圃場を選び、土づくりは移植栽培と同様、土壌分析に従って、ワラのすき込み、ケイカル、ヨウリンなどの土壌改良資材を施用する。そして、ワラの全層すき込みをするため、秋耕をしておく。

 代かきはできるだけ均平に行うのが大切で、田面がデコボコだと苗立ちにムラが生じ、除草効果が悪くなる。

 播種深と苗立ち率には、深い関係がある。そのため、播種時の土壌の硬度が播種深につながることを計算に入れて、代かきを行う。散播の場合は、代かきは播種当日か前日に行い、条播の場合は、播種の三~四日前に行う。いずれの場合も、歩いた足跡が残る程度の土壌硬度にすることが、安定した苗立ちを確保し、倒伏に弱い直播の欠点をカバーするのである。これらを考え合わせた播種深は、一cmというのが、私の経験知である。

 なお耕しすぎる(ねりすぎる)と、土中の酸素供給が悪くなり、かえって苗立ちを悪くする。代かきをていねいにすることが大切だといわれるが、その真意は、あくまでも圃場を均平にすることをさしているのである。

【[3]播種作業】

 安定した苗立ちを確保する条件は、よい種子モミと、カルバーの粉衣、均平な代かき、それに適切な播種深である。さらに、これらの条件に播種時の気温が大きく関係する。

 一般的な目安として一日の平均気温が一二~一五℃になってからが安全であり、地元気象台に過去の平均気温を問い合わせて播種時期を決めることが大切である。また、その年の気候の推移も忘れてはならない。

 播種量は寒地と暖地では多少の変動があろうが、一〇a三kg前後が適量としている。昭和五九年に農水省の直播現地展示圃として一〇a二~五・六kgの四区の試験区を設けて、播種量と収量の関係を調査したが、播種量が多いと倒伏に弱く、安定稲作につながらない結果を見ている。

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