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木内博一の和のマネジメントと郷の精神

運営ではなく、経営をしていますか?



専門部署は独自に設置

 専門性のある部署では、独自に本部長を立てて、事業を任せている。たとえば環境事業部が扱うテクノロジーや技術は、野菜を売ったり加工したりする分野とは全然違うから、専務が直接的な指導ができない。

 そのような新しい事業をやる場合、今までいた社員が担当すると仕事がどっちつかずになる恐れがあるので、事業が滞らないように新規のスタッフを雇って、専任部長の下で働いてもらう。

 しかし、技術や仕組みは独自だとしても、あくまでも和郷園の野菜を生産したり販売する必要性の中でその分野が生まれてきているわけだから、本部との関わりは持たせる。

そこで毎月行なっているのが、総勢25人ほどの係長クラスまでが参加する実務会議である。ここでは月次の業績報告や、今取り組んでいること、問題の提議、改善に対する意見討論など、平場で意見を出しあい、3~4時間かけて情報の共有化を図っている。
 ここまで経営戦略と運営戦略について説明してきたが、企業にはもうひとつ社会戦略(社会性に対するサポートと言い換えてもいいだろう)も求められる。我われは地域産業なので、地域の社会行事や役目に対して貢献していかなければならない。最近の身近な例では地域のマラソン大会に、タイで作っている無農薬バナナを無償提供してランナーに振る舞った。こうした社会戦略にも、和郷園では専用の部署を立てて対応しているのだ。


すべてはガバナンスの問題

 和郷ではこういった組織作りで、理に適った分業をしようとしている。そして一番のキモになるのは、経営者がその名に偽りなく、経営に専念できるかどうかだと思う。ただし、組織のベースとなる事業において「ヒト、モノ、リエキ」を作りきれていないかぎり、他の人に運営を任せる人材投資は難しい。しかし、人材育成はタダでできる。素直で、責任感があり、優先順位が付けられるスタッフを採用し、育てることだ。まずはその足元を固めることが、よりよい組織を作る第一歩と言っていいかもしれない。

 別の言い方をすれば、すべてガバナンス(企業統治)の問題だ。かつて私は事業の成長スピードに合った組織をどう作っていったらいいか、模索していた時期があった。アズサ監査法人の上場企業向けの7回連続セミナーに参加して、講師の先生の話を素直に聞いた。強い組織の法則や理論は古今東西、そう変わるものではない。以上は、そのなかで「なるほど」と思えたことを自分なりに、優先順位を付け、責任感を持って実践してきたことである。

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