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「自分の夢」から「みんなの夢」へ
私は最近、あえて「自分には夢も希望もない」と前置きして話をすることがある。
経営者が個人的に「こうしたい、こうやりたい」と思うことや「好きなこと」をどれほど語っても際限がない。いくら夢があっても、実際の事業は、お客様から仕事を託されることでしか成り立たない。そして、世間やお客様は、自分たちが思っている以上に経営者や会社の良さや特徴を見てくださっているものだ。つまり、主体的に夢を語ることより、仕事を通して我われのポテンシャルを引き出していただく方が、逆説的だが、夢に近づく早道だ。
仕事を実現していくプロセスで、経営者が漠と思い描く「自分の夢」は、より明確な「みんなの夢」としてお客様、社員の間で共有される。そして、それは現実のものとなる。
別の言い方をすれば、自分の「こうしたい」願望より他者の「こうしてほしい」依頼を優先するということだ。希望的観測を言い続けるより、仕事を通じて信用を一つずつ築きあげることだ。
自分の場合、現在の主力事業はすべて、頼まれ事から始まった。コンビニのおでん用ダイコンの大量生産に始まり、青汁用のケールやポテトチップ用ジャガイモの契約栽培、そして飼料用トウモロコシ事業もみんなそうだ。お客様の課題を一つずつ解決することで、結果として事業化していった。
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坂上隆 サカウエタカシ
農業生産法人 株式会社さかうえ
社長
1968年鹿児島県生まれ。24歳で就農。コンビニおでん用ダイコンの契約栽培拡大を通して、98年から生産工程・投資・予算管理の「見える化」に着手。これを進化させたIT活用による工程管理システム開発に数千万円単位で投資し続けている。現在、150haの作付面積で、青汁用ケール、ポテトチップ用ジャガイモ、焼酎用サツマイモなどを生産、提携メーカーへ全量出荷する。「契約数量・品質・納期は完全100%遵守」がポリシー。03年、500馬力のコーンハーベスタ購入に自己資金3000万円を投下し、トウモロコシ事業に参入。コーンサイレージ製造販売とデントコーン受託生産管理を組み合わせた畜産ソリューションを日本で初めて事業化。売上高2億7000万円。08年から食品加工事業に進出。剣道7段。
坂上隆の幸せを見える化する農業ビジネス
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