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ちょっとちがうぜ中国で農業

技術流出による競合企業の乱立


元従業員が競合企業立ち上げ

 2002年から雲南省に進出している日本独資企業T社のコンサルティングを始めた。この企業は特殊な技術を持っていて、それを活かした花の加工品を生産している。だが、実情を調べるうち、他社にその技術が流出していることが分かった。

 雲南省には、T社と類似した事業を行なう企業が4社ほどある。そのすべてがT社から流出した技術をベースにした事業を行なっている。中国はもともと職人的な技術者があまり育たない傾向にあり、企業に勤める中国人は技術を少し覚えると、すぐにスポンサーを見つけて同様の事業を行なう会社を立ち上げてしまう。日本企業が、“メイド・バイ・ジャパニーズ”に取り組んでも、技術を覚えた中国人が“メイド・バイ・チャイニーズ”にしてしまう。

 技術が拡散することで産業の裾野が広がり、中国国内での販売もしやすくなっていくと捉えれば、この状況を楽観視できなくもない。ただ、見よう見まねで作った商品ではいい商品にはならず、中国での販売はままならない。流出した技術を利用した企業は、商品の価格を下げて日本に売り込み始めた。花業界でアジア最大の展示会となっている国際フラワーEXPOなどにも、中国企業なら補助金が出るため積極的に打って出ている。その結果として起こるのは商品の価格破壊だ。

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