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今年の市場相場を読む

今年、伸びを期待したい野菜類、アスパラガス、インゲン、エダマメ、オクラ

年が明けてから、ようやくデフレ基調が底を打った感もあるが、本当の勝負は春以降。小売店での安値販売は当分続くことが予想されるが、野菜の消費量は徐々に回復基調に向かっていくだろう。一方で生産現場では、重量野菜から軽量な野菜類への転換が進んでいる。野菜消費量が下げ止まっていることもあり、軽量野菜を中心とした供給量の増大がうまくマッチすると、一転して売れ筋商品が登場する可能性もある。産地として力を入れている品目、自然増となっている品目の中から、今年伸びが期待できそうな野菜類をピックアップして検証してみよう。

アスパラガス 佐賀、福島が豪州を抜く。供給拡大が需要を確実に創造

【概況】

東京市場のアスパラガスは、06年にやや入荷が減ったものの、以降は増加基調で、06年対09年では18%もの入荷増となった。その一方で単価は堅調推移を続けており、明確に買い支えられていることがわかる。佐賀、長崎など長期どり産地からの増加に加え、東北各県の生産面積も増えており、09年には北海道からの入荷も急増した。シェア1位をキープしていたオーストラリアは、09年に佐賀、福島に抜かれて3位に落ちた。

【背景】

アスパラガスは一度播種すると数年は株の力だけで発生する省力型の野菜であるため、生産者のなかでは全国的に人気の高い品目である。出荷ピークは5~6月で冬場の5倍以上の入荷があるが、消費の面では特に春に特化しているわけではなく、値頃でありさえすれば周年にわたって売れる品目となっている。長期どりの九州産が順調に売れているほか、供給が薄い秋冬を狙って秋田、山形など東北産地でも面積拡大が続いている。

【今後の対応】

サラダはもちろん、シチューなどの煮物に使うのも手軽でおいしいアスパラガスは、家庭でも業務用でも使い勝手がいい。供給が需要を創るという原則を具現化した品目でもあるが、徐々に輸入品を国産が代替するようになっており、年間を通じて需要も安定してきた。理想的な展開だ。今年はさらに出荷増が予想されるが、促成産地では軟白したホワイトアスパラガスの生産も拡大しており、ドレッシングなどとのコラボで消費増を仕掛けたい。

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