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【今年の市場相場を読む】
今年、伸びを期待したい野菜類、アスパラガス、インゲン、エダマメ、オクラ
- (株)農経企画情報センター 代表取締役 小林 彰一
- 第165回 2010年03月01日
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アスパラガス 佐賀、福島が豪州を抜く。供給拡大が需要を確実に創造
【概況】
東京市場のアスパラガスは、06年にやや入荷が減ったものの、以降は増加基調で、06年対09年では18%もの入荷増となった。その一方で単価は堅調推移を続けており、明確に買い支えられていることがわかる。佐賀、長崎など長期どり産地からの増加に加え、東北各県の生産面積も増えており、09年には北海道からの入荷も急増した。シェア1位をキープしていたオーストラリアは、09年に佐賀、福島に抜かれて3位に落ちた。
【背景】
アスパラガスは一度播種すると数年は株の力だけで発生する省力型の野菜であるため、生産者のなかでは全国的に人気の高い品目である。出荷ピークは5~6月で冬場の5倍以上の入荷があるが、消費の面では特に春に特化しているわけではなく、値頃でありさえすれば周年にわたって売れる品目となっている。長期どりの九州産が順調に売れているほか、供給が薄い秋冬を狙って秋田、山形など東北産地でも面積拡大が続いている。
【今後の対応】
サラダはもちろん、シチューなどの煮物に使うのも手軽でおいしいアスパラガスは、家庭でも業務用でも使い勝手がいい。供給が需要を創るという原則を具現化した品目でもあるが、徐々に輸入品を国産が代替するようになっており、年間を通じて需要も安定してきた。理想的な展開だ。今年はさらに出荷増が予想されるが、促成産地では軟白したホワイトアスパラガスの生産も拡大しており、ドレッシングなどとのコラボで消費増を仕掛けたい。
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小林 彰一 コバヤシショウイチ
(株)農経企画情報センター
代表取締役
青果物など農産物流通専門のジャーナリスト。(株)農経企画情報センター代表取締役。「農経マーケティング・システムズ」を主宰、オピニオン情報紙『新感性』を発行。著書に、『ドキュメント青果物市場』、『日本を襲う外国青果物』、『レポート青果物の市場外流通』、『野菜のおいしさランキング』などがあるほか、生産、流通関係紙誌での執筆多数。
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